旅に出たなら何食べる―盛岡市・東屋

盛岡の美味しいものは麺類である。
先日はぴょんぴょん舎の「冷麺」を絶賛したけれど、「わんこそば」の東屋を忘れるわけにはいかない。
創業明治40年を感じさせられる店構えは、訪れる人に気を使わせない空気を纏っていた。

店内も座敷をにわか作りでテーブル席にしたような、滑稽にすら感じるほど当時のままのようだった。
東屋さんに行けば「わんこそば」を食べるべし。
悩んだけれど「ほいさっさ」と蕎麦が次々に渡されるのは、リズム感がいりそうで恐れをなした。
大人しく蕎麦つくしの郷土料理「南部蕎麦振る舞い」に落ちつた。

初めての蕎麦料理が多く、驚きと共に蕎麦の世界に開眼していった。
お品書きの最初「あげそばかっけ」のクリームチーズ添え
かっけの意味も分からない。
そば切りやうどんなどの麺を作るときに残ったかけらが転じたという説がある。
かっけを薄く伸ばして、中に具が入っていたけれど、クリームチーズが添えられてくると既成概念の蕎麦ではなかった。

午後6時の予約で伺ったけれど、私たち以外のお客はなさそうで、接待して下さる方の説明ものんびり、ゆっくりで盛岡最後の夜は楽しく過ぎた。
家人は「わんこそば」に興味があるようで、その宴が始まるのを心待ちしている風だった。
ところが、この日は日曜日と言うのに店内は静まり返り、帰りかけた頃に女性が一人で入ってこられて「わんこそば」をオーダーされた。

「わんこそば」を頂く座敷
まさかのぞき見するわけにもいかず、聞き耳を立てていると一人でも「山かけそば下さい」ぐらいに普通にここでは「わんこそば」を食べられるようだ。
「はーい、13枚終りました」と聞こえて、次が始まった。
「13枚!!」私が仰天していると、お店の方が13枚で普通の蕎麦の一人前なのだと教えてくれた。
家人はすっかり気をよくして、次は「わんこそば」にしようと思ったようだ。

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