“火に油を注いだ”顛末

10日ほど前、長浜まで「火を使わないお灸」を買いに出かけた。
以前から気になっていた商品であり、肩こりや腰の違和感の緩和を期待してのことである。

その日のうちに、早速肩と腰に試してみた。思ったほど熱くは感じず、「これで効いているのだろうか」と、やや半信半疑であった。
翌日は、足の三里のツボに置いてみた。すると――熱い。肩や腰では感じなかった熱さが、足では驚くほど強烈に伝わってくる。
「こんなに熱いものなのか?」と戸惑いながらも、「良薬口に苦し」と自らを納得させ、しばし我慢。やがて熱さは落ち着いた。

そうしておもむろにお灸を外すと――そこには見事な火ぶくれができていた。「えっ?火傷?まさか」と目を疑った。
なにしろ「千年灸」で火傷するなど、聞いたことがなかったからである。気のせいにしてその日は過ごした。

しかし翌日になると、「気のせいでは済まされなかった」。
おはじきのような水ぶくれが、二か所も足にできていた。ヒリヒリとした痛みもある。

原因をつらつらと考えてみるうち、あることに思い至った。
お灸の前に、「SHIGETA」というオイルを脚に薄く塗っていたのである。これは浮腫みを取るためのオイルで、肌にしっとりとなじむものだが――結果として、「火に油を注ぐ」ことになってしまった。
娘がすぐにドラッグストアへ走り、火傷の治療用品一式を買い揃えてくれた。ヒリヒリと痛むが、自分で招いた結果である。大人しく回復を待つしかない。

昨日、2週間ぶりに整形外科を受診したところ、主治医は火傷に驚いていた。
縷々事情を説明すると、「そんなにしなくてもいいのに」と、優しい言葉が返ってきた。「全治10日ですね」とも告げられた。

「これって低温やけど、ですか?」と尋ねたところ、「とんでもない、これは立派な火傷ですよ」と言われてしまった。

「火に油を注いだ」件については、黙っておいた。

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