偶然がくれた紅葉のご褒美 ~国道161号線の秋の景色~

滋賀県高島市から福井県敦賀市に抜ける国道161号線は、四季折々の景色が楽しめる魅力的な山道である。
今日の目的地は石川県、福井県にあったため、道中はただひたすら走るのみと思っていたら、国境スキー場の辺りから両側の山並みの紅葉がいっきに迫って来た。

今年は何処に行っても紅葉に巡り合えず、紅葉狩りをすっかり忘れた頃に思いがけない風景に出会った。
生憎、日本海側は雨模様で山道も陽射しに恵まれなかったから、茶色く見えるけれど、これが朝陽や夕日を浴びたなら燃え立つように見えるに違いない。
今年の紅葉見物はこれで十分だ。
京都や滋賀の神社や寺の紅葉はこれからがピークと言われるけれど、人混みの紅葉見物より、この山道にある天然の紅葉に偶然に出会った事が何より嬉しい。
マキノ高原近くのこの風景も四季を通じて心を奪われ、その美しさを再認識する。


北陸自動車道を走ると山から水蒸気が立ち上がっていた。

越前海岸側の山には紅葉する木が少ないのか、目立つ色彩は見当たらなかった。水蒸気が上がるのでこれで晴天になると確信したけれど、私の予報能力は役に立たず、急な雨に見舞われた。
そういえば、北陸に住んでいた頃の冬に、気分良く晴れた日はなく、暗く閉ざされた空に気が重くなっていた。
それなのにどうだ、この頃は冬だろうと夏だろうと足しげく通う所となっている。
人の心が変わるのか、活動期を過ごしたところが懐かしくなったのか、分からないけれど。

今年の紅葉は、偶然がもたらした贈り物であったが、このひとときが、今年の秋の印象になった。

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