干し柿奮闘記 〜失敗の中に見つけた小さな光〜

干し柿は干し柿にならず水分が抜けないのでずしりと重い。
上等に出来れば差し上げても値打ちがあるが、こうも失敗するとそれは正に「食べた助け」をお願いするようなものになった。けれど「来年は必ずちゃんと作るから」とは言えなかった。
もうこれほどの干し柿を作る気力はないのだ。
「大好きだから、いきなり3個食べちゃった」と言ってくれる人もあるし「歯が悪いからこの柔らかさが丁度良かった」とlineを下さる方もいた。
干し柿を一緒に買いに行ったYさんは、我が事のように心配して、何とか柿を助けようと色々と提案もしてくれた。取り込んだ干し柿が冷蔵庫に入りきれないと言うと、冷蔵庫の手配までして「必要なだけいつでも届けるから言ってね」と言ってくれた。心が折れかけていた時だけにその優しい言葉がずしんと響いて嬉しかった。

そして、干し柿をお配りした人の一人が、今日貴重なヒントを教えてくれた。
「焼酎のかけ過ぎが乾かない原因ではないか」と言われた。
今年の高温でカビが来ると心配した家人は、時間があれば見回って焼酎をかけていた。いつもと違う事と言えば焼酎の量だ。
友人に「焼酎のかけ過ぎが原因かも」と伝えると「そういえば、硬くなった干し柿は焼酎に漬けて戻すらしいと」と教えてくれた。なるほど、焼酎をかければかけるほど、殺菌になる以外に副作用がある事が分かった。
それだけでも、来年の干し柿作りの役に立つ。
今更ながら、干し柿の作り方をネット検索したら「焼酎」をかけるとは書いてあるけれど、かけ過ぎについては何処にも触れられてなかったし、硬くなった干し柿を焼酎で戻すことも書かれてなかった。
けれど、経験者が語る話や伝承はネットに勝ると思う。
今年の干し柿は大失敗したけれど、いい経験になった。「来年こそは」と小さな声で決意した。

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