心がひとつになるとき―オールスター合唱バトルに感動して

テレビから迫力のある合唱が聴こえてきた。不意に耳を奪われ、画面に目を向けると、さまざまな分野のプロフェッショナルたちが集まり結成された特別な合唱グループによるパフォーマンスであった。
私には合唱が好きな理由がある。
合唱には独自の魅力がある。突出した個人の力ではなく、声の重なりによって生まれる豊かな広がりこそが合唱の本質である。ひとりの歌手では到達し得ない音の厚みと心の深みを表現できるのが合唱の力である。
今回は、異なる分野から集まった7グループ、それぞれ20名が心をひとつにして音楽を作り上げた。そこには、並々ならぬ努力と調和が求められた。技術の結集だけではなく、心と心が響き合ってこそ生まれるハーモニーであった。その演奏からは、強い絆と連帯感が感じられ、熱い想いが聴衆に伝わっていた。
特に印象的だったのは、歌ウマ芸人合唱団による「はい、よろこんで」の合唱である。本来合唱向きとは思えぬ曲ながら、見事に仕上げていた。この曲を聴いている間、私はテレビにくぎ付けになった。
二曲目の「浅草キッド」は、初めて耳にしたが、ビートたけしという人物への見方が変わるほどの感動を覚えた。出演者の目にも涙が浮かび、私も自然と涙を流した。画面越しにも真剣さと熱意が伝わり、心を震わせるほどであった。
どのグループも素晴らしい演奏を披露しており、甲乙つけがたかった。一位となったのはミュージカル合唱団で、芸人合唱団とはわずか一点差であった。ミュージカル合唱団は審査員から満点が相次ぐほどの完成度であり、特に二曲目の「朝がまた来る」は、何度も聴きたくなる合唱であった。CDがあればぜひ手に入れたいと思わせる仕上がりであった。
「オールスター合唱バトル」は、まさに魂を揺さぶる音楽の祭典であった。合唱が持つ力、人と人が共鳴する美しさを改めて実感し、心が満たされるひとときであった。
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