PERFECT DAYS
『PERFECT DAYS』は、2023年に日本・ドイツ合作で制作されたドラマ映画。
ヴィム・ヴェンダース監督が役所広司を主役に迎え、東京を舞台に清掃作業員の男が送る日々を描く。 (ウィキペディアより)
2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、役所広司は男優賞を受賞している。
PERFECT DAYSは映画の題名だけれど、劇中で流されるCDテープの楽曲からつけられたものと思われる。この映画はバックに流れる音楽や、葉擦れの音、子供の声、水の音等様々な日常の音が重要な役割を果たしている。
劇中で平山(役所広司)が清掃するトイレは目を奪われる程に近代的で美しい。
それもそのはずこのトイレは、東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」で造られたトイレだった。
中年、一人暮らしの平山が主人公で、トイレ清掃を生業として淡々と日常を送っている。
競争社会の世俗から離れたくて、わざわざこの職業を選んだように私は見受けた。
平山の本箱には平山の知的な面を感じさせる本が夥しく並んでいる。そしてたまには古本屋の100円コーナーの文庫本を買って寝落ちするまで読むのも日常。植物の本が好きなのだ。
ストーリーが進むと、平山は中々の家柄出身と分かる場面がある。
その社会から抜け出すことで孤独な生活と平常心を手に入れようとしているのではないか。
何か問題が起きた時に言われる「平常心でいる」それほど平常心でいる事は容易くはないようだ。
人が集まれば波が起こり、波が起こると心は揺れる。
平山も時々心を乱され波が起こる。
社会で生きていれば避けては通れないけれど、いかに素早く平常心に戻れるか。
平常心の存在を言っているのは私の勝手な映画解説である。
画面は毎日の生活が淡々と描かれるだけ。
仕事終わりに行く、居酒屋や銭湯での触れ合い。
日曜日に出掛ける居酒屋の女将役は、石川さゆり。
そこで石川さゆりが唄う「朝日の当たる家」は、良かった。
平山とて、心の波風やざわめきは起きる。
そんな時でも、淡々と繰り返す日常は平常心を培い、戻してくれる場所と教えてくれる映画だった。
今日の朝仕事は映画効果でいつもよりご機嫌に済ませた。
久しぶりに行った映画館は別世界だった。
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