曜日を忘れた年末に観た「THE DAYS」

年末から正月にかけて、テレビは特番が続く。
そうなると生活のリズムが崩れ、日付は分かっていても曜日を忘れてしまうことがある。
そんな時、娘がNetflixを教えてくれた。
そこで観たのが「THE DAYS」だった。
東京電力福島第一原子力発電所事故後の現場を描いたヒューマンドラマで、2023年から配信されていた作品である。
事故当時、私は無惨な姿になった原子炉建屋の映像を、連日テレビで目にしていた。
この作品は、その同じ時間に、現場で原子炉を守ろうとした人々の行動を描いている。

ドラマは、福島第一原発所長・吉田昌郎氏が政府事故調の聴取に応じた「聴取結果書」をもとに、できる限り事実に忠実に制作されたものであることが示される。
津波の映像は使われず、放射能の拡散を防ぐために現場が模索し続けた対応の積み重ねに焦点が当てられている。
極限状態の現場に向けられる東電本社からの叱責。
そして本社が受ける官邸からの圧力。
そのすべてを引き受けながら現場を指揮するのが、吉田所長だった。
現場と東京との間にある温度差は大きく、観ていて重いものが残る。
原発の安全と作業員の命を同時に考え続ける判断は、想像以上のストレスだったはずだ。
事故から1年後、吉田氏はがんを患った。
被ばくが原因だとする見方もあったが、本人はストレスと喫煙が原因だと語っている。
朝日新聞が入手した吉田調書には、感情を抑えきれない場面も記録されている。
「ここだけは一番思い出したくない」と語り、当時の関係者への強い不満を率直な言葉で吐露する。
一方で、事実と心情を分けて話そうとする姿勢や、当時の認識と後に得た情報とを区別しようとする冷静さも感じられる。
事故で損壊した原子炉建屋のイメージは強烈で、その印象がすべてを覆い隠してしまいがちだ。
福島第一原発を扱う作品が、事実を丁寧に描こうとするほど、さまざまな批判にさらされてきたことも事実である。
それでも、原発の危機に立ち向かったのが現場の人間だったことは否定できない。
原発を制御するのも、被害から人を守るのも、最終的には人の判断と行動である。
未曽有の原子力事故に向き合った人々の声は、記録され、検証され、語り継がれるべきだと思う。
賛否のある作品であることを踏まえたうえで、それでも事故を風化させないための一つの試みとして、この作品には意味がある。
機会があれば、多くの人に観てほしい。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。











この記事へのコメントはありません。