映画レビュー:細胞が織り成す感動の物語「はたらく細胞」
体の細胞を擬人化した斬新なコメディ映画でありながら、命の尊さを考えさせられる作品であった。
阿部サダヲさん演じる少し頼りない父親と、芦田愛菜さん演じる真面目な娘・日胡の物語は現実と体内の様子が対比的に描かれる構成で、観客にユニークな体験を提供してくれる。
この映画の最大の魅力は、体内がテーマパークのように色鮮やかで楽しげに描かれている点である。
赤血球がカートに乗って酸素を運び、白血球が警備員のように体内をパトロールする姿は新鮮である。しかし、細菌が侵入するシーンでは、まるで戦場のような迫力があり、キラーT細胞やNK細胞、マクロファージが細菌と壮絶に戦う姿が描かれている。その戦闘シーンは、体内の働きに驚きながら、自分自身の体をもっと大切にしたほうが良いと気付かせてくれた。
後半、娘の日胡は白血病を患う。
その時の体内は非常ベルが鳴り響き、不良品化した白血球が次々に細胞を壊し、日胡の体調は急激に悪化していく。
最終手段として骨髄移植が行われるシーンでは、体内の緊迫感が最高潮に達し、 ほとんどの細胞が力尽きる中で、新しい骨髄細胞が導入される瞬間、体内に希望の光が差し込むような描写がとても感動的であった。
体内が徐々に回復し、細胞たちが再び元気に働き始める姿は、命が再生する奇跡であった。
この映画を観て、自分の体内で細胞たちが日々戦い続けていることをリアルに想像することができた。
食事や睡眠、適度な運動などの習慣が、体内の平和につながっていると教えてくれる映画であった。
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