東京タワー オカンとボクと、時々、オトン ‐ リリー・フランキー|映画|ドラマ

東京タワー??(エッフェル塔)

リリー・フランキー著「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」を一気に読み終えた。
友達の娘さんの推薦図書である。いつも私が本屋で手にとる種類とは違う感じがするが、若いお母さんが勧める本を読んでみたかった。
この本はオカンとボクと時々オトンと副題がついているので察しはつく。

オトンとオカンは別れたわけでは無さそうだが、一緒には暮らしてはいない。
両親の距離を窺いながら自分の立場を測る著者の心理は複雑で読み手としては切なくもある。
オカンは癌と戦う。癌を中にしてオトンとオカンの距離はついたり離れたり。奇跡を信じてオカンと一緒に癌と戦う著者のひたむきな気持ちが行間から溢れ出ている。

飯塚、小倉、別府、東京の町を著者は成長に伴い、時には子供として時には保護者となりオカンを連れ出す。オカンはネアカな九州女で、どんな時も明るく世話やきである。二人の周りの人たちを巻き込みながら物語はドンドン展開していく。

母子家庭を感じさせないようにオカンはすべての盾になった。
そのオカンの為に、著者は立派な盾になった。
ここまでストレートな愛情を子供に伝えたオカンも偉いが、受け入れた著者もたいしたものである。
何処かに親の権威を示し、少しの恩を売る親でしかない私には強烈パンチの本である。
なにも親だからと力を入れて頑張る事はない。
へその緒のつながりは生半可ではないと教えてくれる本である。

私の母は、2年前の2月26日に旅立った。
時を合わせて家人が船橋から博多に転勤したのは私を母が引き寄せたのかと当時は思っていたが、
母は末っ子の私が心配だったのかも知れない。「天寿をまっとうしたんよ」とみなさんに慰められたが、母親を亡くした後の喪失感はしばらく尾をひいた。
この頃になって「天寿」の意味がありがたい言葉に感じられている。

映画版(YouTube)のDVDです(出演)オダギリジョー、 樹木希林

ドラマ版のDVDもあります(出演)田中裕子、大泉洋

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