• 2005.7.12
• 大分
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筋湯温泉

猛烈な雨音で目が覚めた。
屋根や軒を打つ雨の勢いがすごい。
テレビを入れると、北陸に大雨警報がでているという。
九州、大分県九重町の筋湯温泉に鉄砲水が入り旅館街が浸水している。

大分市から博多へかえる時に、立ち寄り温泉として少し山の中に入るこの温泉を利用していた。「日本一の打たせ湯」という看板が国道沿いにあり興味を引いた。
九州の中でも鄙びて風情のある温泉である。
私の入った公衆浴場は、打たせ湯はあるが洗い場がない、シャワーがないという設備で面喰らった。思い思いに打たせ湯の下で寝転び腰や肩に当てていた。いかにも地元で愛されている温泉のようだ。
風呂から上がる頃に、空が真っ暗くなり稲妻が走った。大きなギザギザが空から真直ぐ落ちて来る。風呂の入口も向いのお土産やさんも雨宿りの人でいっぱいである。
店の入口をすっかり塞いで恐縮しきっている私達に店の応対は優しいものだった。
老夫婦で経営している気配であるが、すっかり同情気味で一緒に空を見上げてくれる。
小降りになると駆け出していくオートバイの若者に「気－つけてなあー」と声をかけていた。１０分か２０分ほどの心に残る雨宿りになった。
この店が今どんな状況であるか分からない。