鬼が城の景観|台風一過の道は険しい
同じ紀伊半島にある和歌山県は近畿地方で、三重県は東海地方となる。確かに愛知県からはフェリーや高速道路が発達している。
今回の旅行の為に地図を開くと紀伊半島には奈良県の山地と和歌山県、三重県がある。紀伊半島は、山岳地帯が広がっているために国道は山からいきなり海に落ち込んで道路は狭いという思い込みがあった。けれど今は奈良からまっすぐに和歌山や三重に入る道は、整備され世界遺産が次々と現れる道路になっていた。
知らなきゃソンソン。
吉野川に沿って走る道路は森林浴と周辺地域の家並み、柿の葉寿司の魅力もあってお勧め道路だった。
そして熊野灘に面する三重県には荒波が造った芸術品「鬼が城」がある。
2004年にはユネスコの世界遺産に登録されている。世界遺産にもかかわらず、三重県は太っ腹。入場料不要と言うのは嬉しい。
鬼ヶ城は三重県熊野市木本町にある海岸景勝地。国の名勝の一部である。 熊野灘の荒波に削られた大小無数の海食洞が、地震による隆起によって階段上に並び、熊野灘に面して約1.2km続いている。志摩半島から続くリアス式海岸の最南端で、これより南はなだらかな砂浜の海岸へと変わる。
鬼が城に到着した頃、太陽は真上にあって強烈に暑い時間帯で駐車場は満車。大勢の人が来ているようだ。
入り口付近の鬼ヶ城センターでソフトクリームを頬張る人を横目に石の道を進んだ。
最初の見どころ「千畳敷」までは道幅も広く道もなだらかで海をのぞき込みながら歩いた。そう言えば駐車場は満車なのに皆何処へ行ったのか、人の姿は少ない。
千畳敷を過ぎると石の道幅は狭くアップダウンの道になった。
大きな岩(流紋岩)が庇になるように垂れ下がり迫ってくる。「流紋岩とは、マグマが地表付近で急に冷えて固まるなど主に火山活動で出来る」らしい。
そこに少しの日影があるけれど、海からの照り返しは想像を絶する暑さだ。暑いわ、険しいわ、しんどいわ……
家人が真直ぐ前を向いて歩いているところを見ると、余裕がないのだろう。ここは一人で頑張る他はない。
これは天井ではなく私の足元に出来ている波が造った模様。
前日の台風の雨が激しかったのか、足元には水たまりが多数残り岩の上からも水が落ちてくる。
柵につかまりながら進むのは、なかなか困難。
私を追い越していった若いグループが同じ道を引き返してきた。一周1.5kmと聞いているので歩き切るつもりの私には意外で「今の若者は根性がない」と内心思いながら前に進んだ。
すると、家人が「ここまで」と言って待っていた。なんと家人まで歩けないのかとその前まで行くと大きな石の上から水が滝のように落ちていた。
もう出口に近いのに、柵につかまりながらこの難所を抜けるのは不可能だった。
内心ちょっとホッとした。
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