旅に出たなら何食べる – 桑名の蛤

「その手は桑名の焼き蛤」と言われるところに「蛤」を食べに行った。
「その手は・・」は、「食わない」と「桑名」をかけて桑名名物の「蛤」を合わせた言葉で「東海道膝栗毛」の時代には使われていたそうだ。
数年前、桜見物が目的で桑名に行ったことがある。
その時に「その手は・・」を思い出して「蛤」を食べて帰ろうと、蛤を食べさせてくれる店を探したけれど、今ほどスマホを使いこなしてなかったのと、蛤の季節には早かった所為か中々見つけられなかった。
経緯は忘れたけれど、漸く座れた店で蛤をオーダーした。
大きな焼き蛤が1個出てきた。
その美味しかった事が忘れられない。
蛤の一番おいしい6月に再訪しようと決めていた。
早速Netをググって予定を立てようとすると気安く「蛤」とは言えない価格設定にその気がしぼんでしまった。
長い事うつうつとしていたら、お手頃な価格で「蛤のしゃぶ、しゃぶ」を提供してくれるお店「大和」が見つかった。

通された部屋のガラス戸に写るのは大きな青紅葉。
「ワァ―」と声が上がるほど美しかった。

最初に運ばれたのはお味噌で食べる季節の野菜とトウモロコシの天ぷら
ズッキーニ―とエノキの和え物や茗荷や青唐辛子をしょうがの入ったお味噌で頂いた。
お味噌が美味しいので食欲がわいてくる。甘いトウモロコシの天ぷらはサクサクと口溶けよくお腹に収まった。
そこへ運ばれたしゃぶ用の蛤、想像より多い。
桑名の蛤としては可愛いサイズ。

お出しの中に少しづつ蛤を落とし込んで「口を開いたら直ぐに食べて下さい」との事。
真剣に鍋をのぞき込み、パクっと口を開けた瞬間にサッとすくって器に移した。
熱々ぷりぷりの蛤がスルリと喉元を落ちて行った時、心の中で喝采をあげた。
やっと、1個以上の蛤を食べることが出来た。
まさか、蛤でお腹が大きくなるとは思ってなかったけれど、その頃にはトウモロコシの天ぷらが実力発揮してきた模様。
お酒のない席なので、料理は出されると直ぐに消えていく。
少しづつ出てくるとお腹が直ぐにいっぱいになった。
蛤のしゃぶ鍋が終わると一旦お鍋は下げられた。

鍋の出しで煮た豆腐が一把もあろうかと思えるほどの三つ葉を載せて登場した。
蛤だけを入れた鍋の空間を眺めつつ「ここに青菜とか、お豆腐を一緒に入れたいよね」と話していたのが聴こえたかと思うようなタイミング。

〆は勿論、蛤のお出しをたっぷり吸ったおじや。
デザートはふわっふわのわらび餅。
2時間以上の時間をかけて数年ぶりの夢をはたした。

台風4号が長崎県に上陸して関西方面も大雨の予報が出された日だったけれど、帰路に着くまで雨はなく、暑さからも解放されて久々に気持ちの良い一日だった。

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