九州の旅ー崎津集落
崎津集落は、天草市河浦町に位置し、禁教期において仏教、神道、キリスト教が共存し、漁村特有の信仰形態を育んだ集落である。
2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録された。
その構成遺産の崎津教会が畳敷きであった事に強く関心を持ったのが、崎津訪問のきっかけになった。
内部の写真は写せなかったが、鮮やかなステンドグラスから優しい光が差しこむ穏やかな空間があった。
私が関心を持った畳敷きの教会は、日本の伝統的な畳敷きと言うよりうす敷きのゴザのようだった。
今では座ることが困難になって、畳の上にはパイプ椅子が並べられていた。
この教会は絵踏みが行われていた庄屋屋敷跡に建てられて、踏み絵の場所に祭壇を置いている。
その説明では、信者の思いの深さを知った。。
畳敷きの教会は、青森県弘前市の「カトリック弘前教会」にも残っている。
「崎津教会」は建物横の色が違う、
灰色の部分はコンクリート、白い部分は木造。
これは建設資金が足りなかったからと言われている。
行政の力にたよらず、足りない部分を木造で完成させた。
信者の信念は強い。
崎津集落は、潜伏キリシタンがアワビ等の貝殻を信心具にして拝むなど漁村独特の信仰を育み、250年間守り続けた土地で、集落中心部等が世界遺産の構成資産になっている。
綺麗に磨いたアワビの貝殻をガイドの田中さんが見せてくれた。
「ん?」アワビの貝殻が信仰の対象になると言うことが呑み込めない。
キラキラと輝く内側の光の中にマリア様が、見える人には見えるらしい。
又、崎津教会は羊角湾のそばに建つことから「海の天主堂」とも呼ばれ、集落を歩いていると、日本家屋の中に突然ゴシック様式の教会の尖塔が現れる。
その風景は入り組んだ入り江と共に、昔からある風景として落ち着いた集落の雰囲気を醸していた。
崎津諏訪神社の鳥居からが覗く教会。
集落山側の「崎津諏訪神社」は豊漁・海上安全を願い、1647年に創建された神社とされる。
禁教時代、潜伏キリシタンはこの神社の氏子となり、又神社総代も潜伏キリシタンであった。
長きにわたって密かな信仰を守るために、重要な役割を果たした場所である。
1805年、密告により「天草崩れ」がおきた。
当時キリシタンは処刑されていたが、幕府の役人たちは彼らがキリシタンではなく「宗門心得違い」だったという結論をひねり出し村人は全員助かった。
神社は、潜伏キリシタンの人たちが持っていた信心具を差し出すように指定された場所でもあった。
ガイドの田中さんによると、熊本のキリシタン弾圧は、長崎ほど厳しくなかったのではと話されていた。
神社のすぐ下には牧師の宿舎や1888年には、木造の崎津教会が建てられていた。
崎津の町を歩くと、一年中しめ縄を玄関に飾る家を見受ける。
それは、昔から伝わるもので、「仏教徒の家」であると証明するものであった。
町歩きの途中には、美味しいお茶処があった。
うるち米で作られた「ようかん」と言うので、見とれていたらガイドの田中さんが「お茶にしましょうか」と声をかけてくれた。
すると、中からも「どうぞー」と声がする。
ようかんが2個で200円、店内でそれを食べることにした。
すると、お茶を入れて下さり、ようかん以上に大盛りのきゅうりの漬物が出てきた。
二人で200円で豪華なTea Time
胡瓜の漬物が美味しくて、全部食べてしまい、レシピまで頂いた。
3人が入るといっぱいの店内で美味しいひと時を過ごし、益々崎津の魅力にはまった。
天草に関心のある方はブラタモリの番組もあります。
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