心に咲き続ける桜 ― 能登・桜駅を訪ねて

能登には、どうしても会いに行きたくなる桜がある。
数年前、朝のテレビで偶然その存在を知り、駆けつけた場所は、のと鉄道七尾線・能登鹿島駅であった。通称「さくら駅」と呼ばれている。
あのとき以来、この桜は私の心の中に咲き続けている。

2024年の震災後、「あの桜はどうなっただろう」と気にかかっていた。そんな折、テレビに映し出されたのは、変わらぬ見事な花を咲かせる桜の姿だった。その光景に、どれほど安堵したことか。

やがて能登からは「ぜひ来てほしい」という声が聞こえてくるようになった。遠慮し続けることが、必ずしも復興につながるわけではない――そう気づかされ、今年は思い切って再び訪れることにした。

迎えてくれた桜は、ちょうど満開。風に乗って花びらがひらひらと舞い始めていた。
この桜は、1932年の国鉄七尾線開通を記念し、地元の人々がソメイヨシノ約100本を植えたことに始まるという。樹齢はすでに90年を超える。年月を重ねた枝ぶりは実に堂々としており、その姿には自然と見入ってしまう。

桜色に塗られた駅舎の上から、降り注ぐように広がる花々。その美しさに、訪れた人々は皆、足を止めて見上げ、思わず感嘆の声をもらしていた。

訪れたのは午後も3時近く。出店は店じまいを始め、駐車場にも少しずつ空きが出ていた。朝一番の賑わいとは違う、どこか穏やかな時間が流れている。それでもなお、多くの人がホームに立ち、電車を待ちながら桜を楽しんでいた。

震災のあと、ずっと気にかかっていたこの桜に再び会えたこと。
その喜びは、心の底からじんわりと広がっていった。

変わらずそこに咲き続ける桜。
そして、それを見上げる人々の想い。

今年もまた、私の心に新たな一輪が咲いたように思う。

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