くら巣の舎 ‐ 小樽のガウディー邸|北海道 花巡り8

北海道最後の日は、小樽の「くら巣の舎」さんからスタートした。
ここには、ガウディーの館だった。
自由な心を持てる大人の面白さがぎゅーっと詰まった場所だ。
この先のテラスからは石狩湾と留萌の半島が望める。
この下は小樽行きの電車が大きな音で走り、その音だけが現実を感じさせる。
「フッ」と林芙美子の放浪記を思い出した。
尾道は坂の道で列車の汽笛が山の上まで響き森光子演じる芙美子の心境に効果を出していた。
ピーッという警笛を聞いたような気がするが、目前の石狩湾は漁船がゆっくりと横切るのみだった。
ガウディと林芙美子は余りにも遠いけれど・・。
コンサバトリ―の入口のドア。この石組もドアもノブもご主人の手造り。
刺激的な赤い色。
この階段の赤い色も素敵だった。
写真に写っているもの全て、カボチャも鏡も手造り。
コンサバトリ―の床。ここは木が埋め込まれている。
飴色になった床は靴底に当たる感触も柔らかい。
そして大きさの違う木にはガウディのリズムを感じる。
ご主人は家づくりの面白さが高じて小さな家「巣箱」を造っている。
これほど楽しい巣箱は見た事もない。一つ欲しいと思った。
ただ、私の家にも庭にも少し大きい。
ここでは小屋と呼ぶのがふさわしい。
御主人は海外に出かける事はなく、ここを訪れる人たちによって「スペイン」だ「イタリア」だと言われているそうだ。
その他室内には数々の一刀彫がある。
「全部写真を写していいですよ。決して誰も模倣出来るものではないからね」とご主人はゆったりしたモノ。
東京や札幌で美容院やレストランを経営して来た傍ら、この場所に足を運び30年以上を費やして創り上げた作品ばかり。
奥様は布の作家さん。
チュールレースに刺繍を入れて石狩湾を見下ろすテラスにかけている。
キッチンの窓。
この窓からは石狩の海が見える。嵐の日には岩に打ちつける白波も目前にあるとか。
ご主人は「ハサミがあればどこででも暮らせる自信があったから、好きな事をやってきました。」
とおっしゃるだけに、側にいると熱い情熱がほとばしり出る方だった。
まだまだやりたい事が沢山あって、お忙しい毎日だとおっしゃる。
背骨に気合を入れられたようなお出会いだった。
アーー、北海道は凄い~~。
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