福井の手仕事・双葉のまな板/使い続ける道具たち

日本で唯一のイチョウ材専門店・双葉商店の「イチョウのまな板」を使っている。
とても高価だったから半円形のものを求めた。
まな板はいくつか持っているので、用途に合わせて使い分ければいいと思っていたものの、使い易さから気が付けば「双葉」のまな板ばかり使っている。
いくら頑強な銀杏のまな板とはいえ、使い続ければ真ん中のくぼみに水が溜まりはじめた。
双葉商店のある福井県は我が家からは1-2時間で行ける所なのにグズグズと先延ばしにしていた。
最近は新幹線の延伸で福井県は脚光を浴びている、そして色々な情報が分かるようになると、福井の工芸は、金沢に劣らないようだ。
それらを見る目的もかねて「双葉」の工房を訪ねた。

削り直しはまな板の厚みが2cmある事と言う注意書きがあったが、私のまな板は初めから2cmしかない。
「随分使いましたね」と感心されたけれど凹みを撫でている姿を見ると引き受けてくれるのかどうか不安になった。
「銀杏は重いと思っていたけれど、意外に軽かったし、水切れが良いのでこのまな板ばかり使ってしまいましたので」等々言い訳をしながらなんとか綺麗に削り直してもらえないものかと相談をした。
そして、「一回だけなら」と引き受けてくれた。

見違えるように綺麗になって、焼き印もくっきりとつけ直されていた。
イチョウで作られたまな板は、刃当たりがやさしく包丁を傷めない、においも残りにくい等まな板としては最高だと思っている。
ただ価格が高いと思っていたけれど、こういうものは1回買えば永久に使えると知れば安い買い物になる。
多分10年くらい使ったかもしれないから、これから10年はびくともしないで役立ってくれるだろう。
と、なれば生涯を支えてくれる。
まな板を撫でながら、嬉しい気持ちになった。
以前には能登の角 好司さんに漆の塗り替えを依頼したり、錫の鍋に穴をあけて奈良の青木聖さんに直して頂いたり、銅の鍋は軽井沢の寺山光廣さんの元に旅をさせた。
購入から20年以上経ったものも修理しながら使っている。
洋服はそこまで使い切れないけれど、日用品は生涯使い続けられると思うと、若い時のちょっと背伸びも悪くない。

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