バリ島にてー8
サヌルール海岸
ウブドのベットで眠るのも、今夜が最後。
明日の今頃は空港に向かっている頃だろう。
来る時は日中を一日使って到着するけれど、帰りは夜を丸々使う。
深夜の空港のけだるさがしんどいけれど、飛び立てばひと眠りで関空に帰れる。
今日は日本人会が在バリの人たちに保険の勉強会をするという集まりがサヌールのホテルであった。
暇なのでお供をしてサヌールの海辺の美術館と戦後賠償で日本が建てた高層ホテルの見学にいった。
遠くに見えるのが戦争賠償ホテル「ザグランドバリビーチ」
このホテルが出来てから、バリではヤシの木より高いものを造ってはいけないという規則が出来たくらいに評判の悪いホテルだそうだ。
日本の戦争賠償という言葉を聞くと、下を向きたくなる。
平和な時代が続いて欲しい。
ビルとして建てられているので確かにサヌーるの海辺にはそぐわない。
ベタッとした潮風を避けて中に入ると、ひんやりとした冷房が迎えてくれる。
冷房がなかったら、曲がれ右で外に出たくなるようなホテルだった。
英語、中国語、韓国語がそこいら中にべたべた貼られてあまりお上品とは言い難い。
けれど、日本語がどこにもないのにムッとする。
中国の観光ツアーの人たちがバスで帰ってくると、ホテルの静寂は破られる。
訳のわからない言葉を聞く内にスルスルと眠りに落ちていった。
すぐ近くには、オランダ人のル・メイヨールさんのご自宅を美術館にした建物がある。
二人で10000ルピアというのは100円にも満たない入場料だった。
タヒチに遊んだゴーギャンの色彩を思い出させる絵もあり、私はバリの絵よりはほっとする。
美術館要り口の割れ門
この後にウブドに帰ってから行ったブランコ美術館のブランコさんはスペイン人で二人ともモデルになった踊り手と結婚しているそうな。
ブランコ美術館の入り口
ブランコさんの絵はほとんどがヌードなので「普通の美術館より楽しいよ」と送り出されたのだけれど、バリ島の踊り手がモデルなら、私でもヌードを描きたいと思うほど、綺麗だった。
その額装はスペインンのダリを思い出させた。
ブランコさんは王室に気に入られて、ウブドの一等地に大きな美術館を構えている。
既に亡くなられたそうだけれど、この建物もスペインの海辺に建つダリの卵の家に劣らない。
今回はレジャー的要素の少ないバリ滞在になったが、他所の家のかまどを覗くように見て回れたのは収穫だった。
そして、ウブドは今は静かな日常に戻っている。
明日からもう一段と静かになるんだろうけれど。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。