ニュースステーションと共にあった時間 ― 久米宏さんを偲んで

久米宏さんご逝去の報道が、昨日から流れている。
親しいわけでも、友人でもない。けれど同世代で、欠かさず「ニュースステーション」を見てきた世代として、どこか身近な存在だった。
最近はテレビでお見かけすることもなく、どうされているのだろうかと思っていた矢先の訃報だった。

語り口のやさしい報道で、ニュースを身近なものとして伝えてくれた人だった。
ニューヨークで起きた米国同時多発テロの第一報に接したのも、「ニュースステーション」だった。

「今、入ったニュースです。ニューヨークのツインタワーに飛行機が突っ込んだという情報が入りました」

久米さんのその言葉を、今でも覚えている。
あの時は意味もよく分からないまま、飛行機がツインタワーに突っ込む映像を、ただぼんやりと見つめていた。
久米さんの言葉も、正直なところ耳に届いてはいなかったと思う。
それでも、“あのニュースの一報をニュースステーションで見た”という記憶だけが、強烈な映像と共に今も消えない。

今回の報道で、久米さんがニュースに携わった期間が18年間だったことを知った。
米国同時多発テロは2001年の出来事だから、その後3年ほどでニュースステーションを去られたことになる。
そして、気がつけば私自身も「ニュースステーション」を卒業していた。

当時、分かりやすいニュース番組だと思って見ていたわけではない。
それでも、午後十時になると自然にチャンネルを合わせていた。
今回、さまざまな報道で久米さんの工夫や番組作りの話を聞き、今さらながら「なるほど」とうなずくことばかりだった。

久米さんがテレビから去って、もう20年以上が過ぎている。
「中学生にも分かるように」と計画された番組に、私はすっかりニュース好きにさせられてしまった。
けれど、それ以降、あれほど熱心にチャンネルを合わせたニュース番組には、いまだに出会っていない。

本当に寂しい。
久米宏さんのご逝去が、こんなにも心にぽっかりと穴をあけるとは思わなかった。

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