今年は咲いた、アオダモの花

「アオダモの花が咲いているよ」と家人が教えてくれた。
昨年は一輪も咲かなかった我が家のアオダモ。今年はようやく、その白い花をつけてくれた。昨年は剪定の時期を誤り、ご近所の庭先に咲くアオダモを羨ましく眺めるばかりだった。それだけに、今年の開花はひとしおの喜びがある。
ただ、今年は剪定を控えたため、花はすべて高い枝先に咲き、地上からは逆光でよく見えない。2階のベランダから見下ろすようにして、ようやくその姿を楽しんでいる。それでも、待ちに待ったアオダモの開花は、春の訪れを告げる何よりの知らせとなった。
庭に出ると、日々少しずつ景色が変わっていく。昨日まで蕾だったオーニソガラムが、今日は一斉に咲き始めた。葉ばかりが勢いよく伸びていたので、家人に雑草と間違われて抜かれる寸前だったが、なんとか難を逃れた。
数年前に一度だけ植えたオーニソガラム。その後は特に手をかけることもなく、放任していたのに、今ではあちこちに白い花を咲かせている。球根植物なので勝手に広がることはないはずだが、我が家では古土を再利用しているため、その中に紛れて移動したのだろう。
切り花にもなるそうだが、室内ではあまり日持ちしないとのこと。だから、咲いている間は外に出て、咲き具合を眺めながら楽しむことにしている。
例年なら、春になると庭の作業をめぐって家人と喧嘩しながら庭づくりをするのが恒例行事だった。しかし、今年の私は作業ができず、家人が一人で世話をしてくれている。
朝から晩まで、熱心に庭に出ては草を抜き、枝をすき、花を植えている。よくもまあ、これほど丁寧にできるものだと感心するばかりだ。
その甲斐あって、どの花も勢いよく咲き、雑草ひとつ見当たらない。大木に育ったコニファー「ブルーアイス」も程よくすかされ、光が差し込むようになった。ライラックやヤマボウシにも日が当たり、花芽を膨らませている。
私はといえば、作業はできない代わりに、こまめに庭を見ては家人の労をねぎらい、大いに褒めている。花の美しさもさることながら、その背景にある手間ひまや愛情に気づけるようになったことが、今年の春のいちばんの収穫かもしれない。
これは、忘れずに記しておきたい庭の春。ブログに記しておきたいほどの出来事である。
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