月の木 ‐ 寿司|大分,竹田|旅に出たなら何食べる
大分に全国から訪れる寿司屋があると聞いたのは2、3年前の事。
2年前の暮に帰った時は、暮れだったせいか滞在中全く予約は出来なかった。
今度こそと、帰る前から予約をすると、週末というのにあっさり取れた。
一時のブームが去ったのかも知れないと思ったのは早合点で、
私達が入店するとすぐにカウンターは満席になった。
バックの補助がないので、全てを一人でこなすためにカウンター席は8席。
小上がりに2人がこの日のお客だった。
こちらは全てお任せのコース仕立て。
一人で仕切るので仕方がないことかもしれないけれど、一寸がっかり。
絵もない、花もない殺風景な部屋に大きなまな板がどーんと置かれているだけの至ってあっさりした作りの店だ。あ、絵がないわけではなかった。朝顔の額が1枚かかっていた。
若い大将は無口な人のようで、同世代のお客様とはポツポツと話をしていたが、寿司屋にしては静かすぎる。
ノラ・ジョーンズの曲が時々聞こえるくらいのボリュームでかかっていた。
じゅん菜のお通しはそのまま飲んで下さいと言われたが、よく分からない味付けだった。
飲むために薄味にしているのかもしれないけれど、飲まなくてもいいから最初に出されるモノにはもう少しインパクトが欲しい。
いくつかつまみの刺身が出されたが、一人でまかなうにはお客が多すぎるせいか、出されるタイミングが遅い。
相手が家人では、それほど話が弾むわけでもなく、待ち時間にお腹が膨れる。
つい先日札幌のすし善で楽しいカウンターを経験しているだけに、寿司屋の楽しさがないのが寂しい。
明太子のわさび漬けとイサキのキモ以外は特別に美味しいものはなかった。
握りの酢飯は美味しかった。
魚はほとんど、佐伯市蒲江の地元のものにこだわっている。
大分と言えば関あじと言いたくなるところを、蒲江のシマアジというところは気に入った。
イワシの握りは鳥取のものだとか。
千葉のものを今は使わないと言っていた。
千葉に、いわしの握りを食べに行ったことがあるけれど、その時の方が美味しかった。
いわしの臭みが苦手だからで、それがいわしと言われればそうかも知れないが。
うにの軍艦巻き、今なら積丹半島では美味しいうにが上がっている。
佐伯のうにが上がらなかったのでメキシコのものを使っているという。
基本的に地元のものと輸入品を使うと言われたが、ちょっと意味がわからない。
鳥取のいわしを使うのなら。
途中で茶碗蒸しが出された。
寿司屋で茶碗蒸しでお腹が大きくなるのは一寸困ると思ったけれど、
待ち時間が長すぎるのでつい一口食べることになった。
それが意外な美味しさで、寿司を食べ続けるのに邪魔になるものではなかった。
特筆すべきは卵焼き。
芝海老のすり身となんとかで焼いていると言っていたけれど、デザートとしては最高だった。
お寿司は、豊後水道を持つ大分市だけに何を食べてもそこそこの味にはなる。
江戸前というだけに、その仕事に期待をしたけれど、もう一息の感がある。
つまみは魚の背で作り握りは腹で握ると初めて聞いた。
脂身は酢飯と相性がいいということなのかな。
金額的にはすし善札幌大丸店とほとんど同額だった。
北海道と九州、どちらの寿司屋に行くかと聞かれれば私の場合は北海道となる。
地元を勧められなくて、ちょっと残念。
あなたは褒めない人と言われることが度々で申し訳ない。
北海道より大分という人がいて不思議はない。
食は個人の嗜好なのでと、ご理解くださいませ。
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