二人の姉物語

明日は日曜日と言う夜は、幾分気持ちが緩んで夕食後はウトウトと眠くなる。
滅多にかからない携帯電話が鳴る時にいいことは無い。
姪からだった。
「ママが入院したわ」「なんで?」「転んで大腿部の骨折をしたの」
【遂にそう言う時が来た】というのが正直な気持ちだった。
日赤病院に運ばれたけれど、手術室の確保が出来ず、手術の予定は月曜日にならないと分からないらしい。

そして入院から5日が過ぎた今日、漸く手術になった。
昨日は循環器の医師に「手術中に心筋梗塞のリスクがあります」と言われ「大腿部の骨が脆いので骨をつなぐプレートはセメントで止めることになりそう」等々の説明があり、大分緊張する手術の時間だった。
セメントは使わざるを得なかったけれど、心筋梗塞も血圧低下もなく3時間で無事に手術室から帰って来た。

明日からリハビリが始まり、2週間で抜糸すると退院することになりそうだ。
高齢者が手術から2週間で元の生活に戻れるはずがない事は火を見るより明らかなのだ。
けれど、病院は政府の方針として、退院をすすめるだろう。
政府って日本政府?

高齢者を抱えると次々にどうしようもない事が突然起こる。
だからと言って前もって準備する事も出来ない。

手術が終わり、すぐに次の心配をしなければならないけれど今夜は眠りたい。

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