正月の愉しみ

お正月だからと言ってこの日にだけと言う食べ物は無くなった。
年間を通じて何時でも望めば食べられる時代になったのは、贅沢を言えばつまらない時代になったものだ。
そんな中で私にはお正月を待って愉しむ食べ物が二つある。
ひとつは花びら餅
わざわざ京都まで行かないと買えない。
毎年お正月に祇園までお墓参りに出かける友人がいつも届けてくれる。

もう一つは、蕪寿司
これは金沢のもので、大根寿司は時々見かけるけれど蕪寿司は暮れが押し詰まってから一斉に店頭に並ぶ。
金沢のデパ地下に行くと蕪寿司の匂いでむせるように感じたのは若い時。
丸大根にぶりを挟んで糀で発酵させたものである。

京都の錦市場に行くと「りゅうひ巻」がある。
塩でしめたひらめを龍飛昆布で巻き上げたものである。
龍飛昆布は酢で湿らせているので酢の物の部類に入るだろう。
京都の正月で初めて頂いた時の衝撃は大きかった。
毎年錦市場の「津の弥」にわざわざ出かけていたけれど、ここ数年行かなくなった。
手が出ないほど価格が高騰したのと、姉たちが居なくなると「りゅうひ巻」を恋しがるのは私一人になった。

今年は、蕪寿司と花びら餅で寿いだ。

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