早起きと記憶の間(あわい)にて

最近は早寝を心がけている。そのためか、自然と目覚めも早くなった。
薄目を開け、外の気配を感じながら「いまは五時ごろか」と予想すると、大抵その勘は当たっている。

昨夜も早めに床に就いた。目が覚めると、曇天の予報どおり外はまだ暗い。私は、いつものようにベッドの中でストレッチを始めた。
子どもの頃から運動は苦手で、ストレッチも続けたためしがない。しかし、今の私にとって、唯一身体を助けてくれるものがストレッチであることを自覚している。そのため、常に頭の片隅にはストレッチのことがある。

ベッドの中で片足を持ち上げて引っ張ると、膝裏がつりかける。その痛みは、心地よくもある。
しかしながら、外がいっこうに明るくならないのが気になり、時計を確認すると、まだ午前三時を少し過ぎたところであった。私は四時間も眠っていなかったのである。

目が覚めると、自動的にストレッチを始めてしまうが、さすがにこの時間は早すぎた。
一度身体を動かしてしまうと、再び眠るのは難しい。案の定、寝返りを打ちながら悶々とし、ついに読書時間となってしまった。

私には、常に前のめりで物事を進めてきた癖がある。
体力はかつての半分しかないことも、十分に承知している。焦ったところで仕方がないと分かっていても、気持ちは先へと走ってしまう。

昨年の今頃は、団地内を毎日散歩しながら、家々の庭に咲く花を眺めるのが日課であった。
「できる時に、心残りのないようにしておかなければ」という思いは、ここ数年で特に強くなっていた。だからこそ、今に心残りはない。
それでも、「もう一度、一年前に戻れたなら」と、つい思ってしまう。

何となく、もたつく感情を持て余している。

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