山の家からタウン生活へ:決断と転居の物語

山の静寂な生活から都会のタウン生活へと転居を決断した姉妹がいる。
彼女たちは共に後期高齢者に差し掛かったばかり。長年大阪の中心で現役時代を過ごしていた二人が、静かな山の生活に憧れるのも理解できる話である。

定年までしっかりと仕事をした後、彼女たちは18年前に老後を見据えて設計された山の家を新築した。ちょうどskogのオープンから間もない頃にお客様としてのお付き合いが始まった。

しかし、年月が経つとともに山の生活にも変化が訪れた。車生活が前提とされる山暮らしでは、年齢と共に車を運転し続けられるかという不安が生じた。さらに近くの比良山では山崩れが起き始め、最近の豪雨は、石灰岩の山では危険になると思えた。

「引っ越せば?」という私の本音発言に対し、「新しいマンションなんて買えません」と即答する二人。
しかし、賃貸でのマンション生活を提案すると「そちらの方向で考えます」と話の途中で答えが変わった
その迅速な変わり身には提案した私でさえも驚かされた。

後期高齢者に必要なのは、便利な買い物環境と医療機関。そして、不要なのは車と危険である。
山中の二人暮らしはリスクが高く、転居は賢明な選択だった。結論を出してから間髪入れずにマンション探しと自宅の始末を進め、わずか3ヵ月でJR線の駅近くのマンションに引っ越した。

姉妹にとって手頃なマンションに、さらに知人二人が同じマンションに住んでいるという心強い環境を見つけたのも幸いであった。何より、老後生活を見据える力があった。ふたりが元気な間に考えるべきだというアドバイスが功を奏した。
そして、なにより二馬力の行動力は異彩を放った。

私にとっても他人事ではない。今の家での生活が続けられるかどうか、考えるところである。
彼女たちの決断力を目の当たりにすると感心するばかりだが、果たして私も真似ができるだろうか。

山の家からタウン生活へと転居を決断した姉妹の物語は、私たちにとっても重要な示唆を与えてくれる。
彼女たちの決断力と行動力に学びつつ、自分自身の老後生活についても考える機会としたいものである。

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