お雛様と巻き寿司と金婚式と

家人が「今年は金婚式だなぁー」急に気が付いたように言った。
数えれば確かに50年目の3月である。
「で、何日だった?」「15日かなー?」と言うものの自信はない。
二人ともとっくの昔に指輪を失くしているので、日にちに関しては曖昧なのである。
3月だったのは正しい。
お雛様が傍らにあったから。
「何か記念行事するの?」
旅行?食事?
昨年5月は家人の喜寿に記念になる旅をしようと、震災から10年目の被災地を回り、地元のガイドさんに沢山の話を聞いた。

それはどんな旅より心に残った。
12月には、私の喜寿の記念に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を訪ねた。

そう言う事なので、金婚式記念行事は終わっている。

でも50年目のお雛様。
久しぶりに腕によりをかけて「巻きずし」を巻いた。

私の実家は何かあると「巻きずし」を作る。
母や姉たちが元気な頃は、九州に帰るのは大抵はフェリーだった。
帰りのフェリーに乗る時は、姉母がお弁当に巻きずしを持たせてくれる。
いつも安定の美味しさ。
フェリーで巻きずしを食べる時「私の好物だから」とわざわざ巻きずしを作っててくれたんだと思うと鼻の奥がツンと痛くなった。
それは姉母との一番の思い出になっている。
50年前のお雛様の時も同じ西武池袋線に住んでいた姉母がお雛様の巻きずしを届けてくれた。
巻きずしとお雛様は私の記憶の中にいつもある。
巻き寿司を作ってくれた姉二人が昨年旅立った。

今年のお雛様は思い立って巻きずしを巻いた。
「あれから50年」と誰かの口上を思い出した。

トップの写真は美濃市 美濃和紙で作られたお雛様

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