野蛮な読書 ‐ 平松 洋子|思わず読みたくなる紹介方法|悦ちゃん ‐ 獅子文六

雑貨ギャラリーには面白い本があると以前に書いた。
傾向的には生活や暮らしの随筆本が多い。
一日あれば読んでしまいそうな本だけれど、家事を楽しいとイメージチェンジさせるには最適の本たちが並んでいる。
「平松洋子、堀井和子、石村由紀子等々」
チョット面白くなって、続きが読みたくなったので図書館で大量に借りてきた。
一晩で読める本に1600円は、よう出しませんと思ったのだけれど、
平松洋子著の「野蛮な読書」は思いがけない発掘本だった。

平松さんの本は食事、家事にまつわるシーンが軽妙洒脱に綴られて、病院の待合室には最適印という位置づけだった。彼女の読書時間はどのように確保しているのだろうかと常々思っていたので、これは面白そうだと直感して手に取った。
私の全く知らない分野の本が何十冊も登場する。

それらの本を紹介する切り口が斬新的でこういう風に書かれるとその中の何冊かを読んでみたくなる。3章に構成されて、それぞれに気を引いてくれるタイトルがついている。
そのタイトルにはいくつかのサブタイトルがつき、サブタイトルに沿って一人の作家の何冊かの本に触れつつ、平松さんの思い出に繋がり時代背景が浮き彫りになる。
彼女は私よりも一回り下なので、共感できる部分が多かったのも読みやすい理由になった。

例えば「第2章わたしおののいたのです。」には
「宇能鴻一郎、池辺 良、獅子文六、沢村貞子等」の人となりや、
それぞれの作家周辺の作家達が語る人物像を読むと実像の作家と作品に興味がわく。
獅子文六という奇妙な名前は「四掛ける四で十六」をもじったものとか、「文豪(文五)」の上をいく「文六」と名乗ったのだとか面白いいわれがあったそうな。

 
私は子供の頃、生意気にも自分の名前を漢字で説明する時に「獅子文六の悦ちゃんです」と言っていた。今では通じないのかもしれないけれど。
久しぶりに読みごたえのある本に出会った。

(追記)この記事から2年の時を経て「悦ちゃん」がNHKでドラマ化されます!

土曜時代ドラマ「悦ちゃん」
【放送予定】2017年 7月15日(土) スタート<連続8回>
総合 毎週土曜 午後6時5分から6時43分 <38分>
【出演】ユースケ・サンタマリア、平尾菜々花、門脇麦、石田ニコル ほか
【原作】獅子文六「悦ちゃん」

本題と関係のないドラマですが「悦ちゃん」ということで。。。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

書評・レビューの情報収集

ブログランキングで書評・レビュー関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る