過去の記事一覧
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「芸のうどん、笑いの湯気」〜桂吉弥『かぜうどん』
2025.6.15
詳細を見る落語における「食べる」という行為は、実は非常に難しい。 器はない、箸もない、うどんも当然見えない。けれど観客は、目の前に熱々のうどんがあるかのように錯覚する。 それを可能にする…
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心がひとつになるとき―オールスター合唱バトルに感動して
2025.6.10
詳細を見るテレビから迫力のある合唱が聴こえてきた。不意に耳を奪われ、画面に目を向けると、さまざまな分野のプロフェッショナルたちが集まり結成された特別な合唱グループによるパフォーマンスであった…
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図書館で1年半待つより、メルカリで買うという選択──『潮音』購入体験記
2025.6.3
詳細を見る久しぶりに近所の書店を訪れたところ、宮本輝の新刊『潮音』4巻が平台に並んでいた。 『流転の海』を夢中で読みふけった日々を思い出し、今回の新作にも心が強く惹かれた。 しかし、1冊…
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blank page 空っぽを満たす旅ー内田也哉子著
2025.5.24
詳細を見る『blank page 空っぽを満たす旅』は、俳優・樹木希林とミュージシャン・内田裕也という、あまりにも個性の強い両親のもとに生まれた内田也哉子が、人生のなかで感じてきた空白や違和…
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比良の空に響く、コカリナの調べ 「ほっとすてーしょん」にて春の風とともに――
2025.5.5
詳細を見る久方ぶりに、湖西線・比良駅前に位置する「ほっとすてーしょん」を訪れた。 ここは、私がgallery skogを開いた当初、真っ先に足を運んだ思い出深き場所である。以来二十年、この…
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大橋鎭子の影を追って
2025.4.27
詳細を見る大橋鎭子が九十歳にして初めて著した自伝を読み始めたとき、睡魔はたちまち消え失せ、一睡もできないまま読み耽ってしまった。それほど深く、心を打たれた。 『暮しの手帖』は、子供の頃…
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浜大津の夜、地下に響くタンゴの調べ 〜旧大津市公会堂にて、アストロリコ・コンサート〜
2025.4.13
詳細を見る浜大津駅からほど近い、旧大津市公会堂の地下レストランにて、アストロリコによるタンゴ・コンサートが開催された。観客はおよそ40人。仕事帰りの人々にも気軽に本格的な音楽を楽しんでほしい…
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小さな痛み、大きな気づき
2025.4.7
詳細を見る小指の先を怪我しただけでも、日常生活の中で小指の存在の大切さに幾度となく気づかされるものである。ましてや足が不自由になれば、生活のクオリティは格段に落ちる。心まで塞ぎ込みそうになる…