曇天の奇跡――雨晴海岸で出会えた立山

氷見の雨晴海岸。
立山連峰の名所だが、私はこれまで何度訪れても、その姿を見ることができなかった。
この日も空は曇り。翌日は雨の予報。
「今日も無理だろう」と思いながら、「のと里山海道」を南へ走る。
途中、空の中ほどに白い塊が浮かんでいた。
雲ではない――まさか、立山。

かつて富山で見上げていた、あの姿に似ている。
もしかしたら、と胸が少し高鳴る。
海岸へ急ぐ。
頂上付近が、かすかに白く光っている。
そして――見えた。
曇天の夕方に現れた立山。
海辺には三脚を構えた人たち。私もその隙間から、そっと一枚。

それは、思いがけず出会えた景色だった。
富山で暮した頃、中空にそびえる山々が苦手だった。
けれど、今はただ美しい。
長い時間を経て、ようやく立山と仲直りできた気がする。
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