旅に出ようよ|新潟県村上市 人形巡り2

村上市の人形様巡りのmapを見ると、どのくらいの時間が必要なのか分かりにくかった。
旅の二日目を一日人形様巡りに予定して、瀬波温泉のお宿から市役所の駐車場に向かった。
丁度六斎市の日で地元野菜や花がテントの中で売られている。

観光用ではなく地元用というのがいい感じで伝わった。
そこで情報を頂いて一筋角を曲がるといきなり天井からぶら下がる鮭に出会った。

どうやら鮭の加工所のようなので写真を写させて頂いて、横の小道から表通りに出るとそこが鮭で有名な「㐂っ川」の裏口だったと分かった。

「どうぞ、どうぞ」と通されたところは、写真を写した場所の奥に当たり、鮭がびっしりとぶら下がる横に仏間があってお雛様が飾られていた。

人形様巡りにかかる時間が分からないと書いたけれど、歩いてみると実はこじんまりとした町だった。
親しくなったお茶屋さんが家の造りを教えてくれた。
どの家も間口より奥行きが長く、通りから通りの間が一軒の家の敷地になっている。
入口の店舗の横に座敷、仏間があり人形様はそこに飾られている。
そしてそこだけは、高い天井に明り取りが造られて幾分かの明かりが射しこんでいるけれど、奥行きの長い家は隣との境に窓はなく、所々に坪庭を作って明かりを取り込んでいるけれど、全体的に家の中は薄暗い。
そして写真でしか見た事のない大きな階段ダンスが現役で使われていた。
一段がとても高く着物を着ていたり、小さな女性には難儀な階段のように思えた。
ところが、階段の上に広い座敷があって、結婚式などはそこで行われたそうだ。

人形様巡りが始まって20年になるけれど、村上はそれまでは他所者を受け入れられない気風があったともお聞きした。

裕福な商家には雛人形が沢山残されているので雛人形で町おこしをしようと考えたけれど、雛人形に限定しないで人形様とすることで沢山の家々にご参加して頂いたそうだ。
それより前は、町屋の見学を計画したけれど家の間取りを紹介してもどこも同じなので盛り上がらなかったと、町に観光客を呼び込む苦労は何処にも同じ悩みがあるようだ。

黒塀通りは寺町で趣のある路だった。
一軒の民家の前を通ると「人形様巡り」の看板が出されていて、少し玄関が開けられていた。

立ち止まると中からわざわざ出て来た女の人が「見て行って下さい」と声をかけて来た。
それがこのお人形様だった。

この頃は未だお雛様巡りをしていると自分では思いこんでいたので、珍しいお雛様だけれどしっくりこないと思っていた。
それよりも家の造りが面白く、聞けば個人宅で毎日暮らしているとの事。
でも生活臭は何処にもない。
お話をする内にこの家は、大正浪漫の香りを残す家で、浪漫亭(国登録文化財)と呼ばれている。
取り壊しの危機にあった建物を「 㐂っ川」が買い取り、社長の個人宅となっているそうだ。
人形様巡りと屏風祭りの時のみ公開されている。
この人形は奥様の弟さんがNASAにおられて送られてきたものと説明された。
後になって、人形様巡りなので人形様はお雛様でなくてもいいのだと分かって漸く合点した。
㐂っ川の奥様は、村上の町おこしに尽力されている方のようだった。

つづく

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