無言館

信州上田市の塩田平の高台に「無言館」という戦争で無くなった画学生の遺作を展示する美術館があります。
水上勉さんの息子さんの窪島誠一郎さんが建てられたと聞いています。
開館間もない頃のお盆休みに行きました。
その頃は私も油絵を描いていたので、神聖な場所に踏み込むような緊張感を覚えたものでした。
予想した戦争をイメージさせる物は何も無く教会を思わせる建物の木の扉を押して中に入りました。
館内の十字が交差する中心の床が丸く小高くなっており、建物が十字架の形だと気づきました。
ガラスのケースには遺影・遺品や手紙なども展示されて故人の人生が偲ばれます。
戦争によって、絵筆を置いた画学生の戦死の通知も展示されています。
「無垢に絵を描いていた才能のある学生が戦争でなくなりました」という事だけを語る美術館でした。
戦争の足音が聞こえる頃の色彩はどうしても暗くなりがちですが、それは仕方がないこと。
言葉で語らずとも、色彩が如実に語っています。
館内に人影はなく、静か過ぎて居たたまれなくなりました。
その後、船橋に住んだ頃にもう一度この丘に行き、キャンバスを広げて塩田平を描いた思い出もあります。
それも夏でした。
この時も訪れる人は無く、広い駐車場がガラーンと空いていました。
今日NHKニュースで無言館に新しい筆を納めて、戦争で無くなった画学生の冥福を祈る会があった事を知り、ほっとしました。
絵を仕上げた後、別所温泉の公衆浴場で汗を流して帰りました。

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