小津安二郎記念館・無藝荘-茅野市

小津安二郎と言えば1950年頃の映画監督と言う知識しかなかった。
私の中で代表作品は「東京物語」美しい日本語を心地よく聞き、普通の暮らしを丁寧に綴る映画を思い出させる。
その作品を一日中でも観られる場所が茅野市に在る「小野安二郎記念館」である。

記念館を訪れたのは7月半ばの暑い日だった。
直前にいきなり夕立に襲われて行く手が見えないほどの雨になった。
雨の後、気温が一気に下がり記念館に着くといろりの炎がほっこりと迎えてくれた。
ボランティアらしい男性がいろりに座り、ゆったりと薪をくべていた。
木が燃える匂いが茅葺の天井にたまり、建物の中をくゆらせていた。
その匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。

その日は小津監督の作品ではないけれど、記念館を使った映画が上映されていた。
希望すれば一日中小津作品に浸ることも出来ると説明された。
この場所は、片倉製糸の山荘(隔雲荘)を1957年になって年間使用の契約をし「無藝荘」と命名して、脚本家の野田 高梧と作品の構想を練る場として、来客をもてなす場所としていたらしい。ここから1km程離れたところにあったものを生誕100年を記念して移築された。

小さな建物で間取りも最小、豪奢なものは何もないけど、品格がある。
畳の部屋で時折落ちる雨粒とくすぶる薪の匂いと脇を走る車のタイヤの音。
帰りの時間が迫り惜しみながら5時前に帰り支度をした。
「次に来られたら続きをご覧ください」と優しい言葉に送られて家路についた。
茅野の喧騒から離れて、しっとりと居心地のいい場所に出会った。

遅いランチをしたベーカリーレストラン「EPI」
時間が遅かったので、選ぶほどの物は何もなかったけど、頂いたピッツアはとても美味しかった。
「旅に出たなら何食べるに」書きたいお店だけれど、メニューを選べてないので、次回再訪時まで温めておきます。

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