切り絵展覧会-倪 瑞良/びわ湖大津館

新聞で紹介された倪瑞良(にいみずよし)さんの切り絵の写真を見て、びっくりした。
切り絵は滝平二郎さんを知っているけれど、全く違う精密画のような切り絵だった。
アール・ヌーヴォーを代表する19世紀の画家アルフォンス・ミュシャの絵を切り絵の世界で表現したそうだ。
近くのびわ湖大津館で開催されている展覧会に出掛けたのは最終日だった。
撮影禁止なので写真を写せない。
私の表現では繊細かつ華麗な切り絵をご紹介しきれないのは残念だ。
黒い和紙にデッサンを重ね合わせ、幅1ミリに満たない曲線をナイフで切り出して制作する技法で、1枚を製作するのに凡そ、4か月を要すとお聞きした。
途中で失敗するとすべてが無になる、一瞬も気の抜けない世界だ。
切り絵の中にいろいろな書体で倪さんのサインを見ることが出来る。目を凝らしてサインを見つけるのは面白いけれど、目はかなり疲れるし、そうそう見つかるものでもなかった。
1970年代末に脚光を浴びて注目を集めながら、その後は世俗を離れ謎に満ちた孤高の創作活動を送ってきたそうだ。
共通の知人を介して倪さんを知った西陣織国際美術館の館長、蔦田文男さん(77)は横浜の倪さんの元に通い、全国規模の巡回展の開催を呼びかけた。作品を自分の「恋人」のように感じ、片時たりとも手放したがらない倪さんを1年半かけて口説き、昨年秋から巡回展の開催にこぎ着けた。と新聞では紹介されている。
蔦田さんは今、倪さんの作品集の出版を準備しているほか、生まれ故郷の神戸市に倪瑞良美術館を建設する計画も進める。 
びわ湖大津館では30枚の作品が展示されていたが、京都文化博物館(7月9~16日)では約50点を展示する。

鑑賞後に外に出るとイングリッシュガーデンの花々が眩しかった。


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