無になる庭

黄砂が飛来し、季節は春のようだ。
庭ではクリスマスローズの花芽が一斉に顔を出し、こぼれ種の苗もいつの間にか根付いている。
少し早い春に、庭仕事をしてみたい気持ちが芽生える。

この庭は家人の丹精によるものだ。
肥料や消毒は行き届き、手作りの資料を毎日読み返しては庭に向かう。



庭仕事は「無」になる時間らしく、朝食後から一日中、土と向き合っている。

私はその背中を眺めながら、
植物が確かに応えていく庭と、その日々を少し羨ましく思っている。

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