年明け、暮らしの風景が変わる音

今日からまた灯油やガソリンが5円値上がりするというニュースにため息が漏れる。 昨年は1年間でガソリンは11円の値上げだったのに、年末年始で、灯油とガソリン代は既に10円の値上げである。
ひと月で100Lの灯油を使う我が家では、その負担がじわりと家計を圧迫している。単純計算でも1,000円の追加負担だ。これが雪深い地域の人々ならどうだろう。雪おろしの重労働に加えて、この燃料費の高騰…。この怒りと不安は、一体どこに向ければいいのだろうか。


私が、遠出をしなくなってひと月が経過した。
もちろん、ガソリンの値上がりが理由の一つではあるが、それ以外に冬の雪道に慎重になったのだ
ひとたび事故にでもなれば「高齢者だから」と言われるのは分っているから。

暮れに和歌山に出掛けて買い込んできた柑橘類がついに底をついた。
近くのスーパーで買うこともできるが、私は産地で手に入れるあの特別感が好きなのだ。
土地の匂いを感じながら買った柑橘類には、市場には無い生命力が宿っているように思えるのだ。
和歌山に出掛けるべきかどうか試案する間にガソリンが先に値上がりした。

冷蔵庫の中もかなりスリムになった。
買いはしたけれど、調理するつもりだったけれどと買い込んだ、色々なお試し食材が残った。
それらを順次調理するのも悪くはない。
いつもと違うや味の組み合わせが、少しだけ日常に新鮮な風を吹き込んでくれる。

生活の変化は、こうして来るのかもしれない。ガソリンや灯油の値上がり、冬日、そしてじっくりを求められる年齢。それぞれが小さな歯車になって、日々の暮らしを少しずつ変えてゆく。かつて当たり前だったことが、少しずつ「特別」になり、やがて代わる新しい日常がずっと更新されていくのだろう。

そして、ふと感じた。今まで慣れ親しんだ生活の幕が、コトンと静かに下りる音に聞こえたような気がした。

今朝の散歩道、久しぶりに月が冴えていた。満月から2日目。


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