卒寿の旅

大正14年4月13日生まれの姉母は来月めでたく卒寿を迎える。
先月、食道癌の治療から丸5年が過ぎて、病院から「完治しました」と言われて、一段と元気になった。
年末近くは「食欲がない」としょんぼりしていたのに、今は私を上回る食欲で驚かされている。
暫く温泉に行ってないので「卒寿は温泉に行こう」と誘うと又元気になった。
少し早めだけれど今日から淡路島の温泉に出かけた。
淡路島は一日中霧で視界が悪い。
うず潮どころか行く手の橋も見えにくい。

姉母に合わせて、今日はかなりのスローペースで進行。
日のあるうちに宿に入ったのは、初めての経験だった。
Mさんが3度も泊まっていると言う、かなり期待出来る宿だ。
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部屋の外のベランダからは大阪湾が一望出来る。
あらら、目の下にあるのはサントピアのヨットハーバーじゃないの。
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30代、40代はここによく通った。
今回淡路島に行くにあたって、ヨットハーバー何処にあった?と記憶をたどっても出てこなかった場所は目の前にあった。
風景が違い過ぎて、記憶をたどるっていうものではない。
DSC_3953.JPG
「はいチーズ」と言わなくてもカメラを向けるといい顔をする。
宿の女中さんが「卒寿には見えませんわ。お綺麗ですねえ」とお愛想を言ってくれると「いえいえ、もうしわだらけですよー」と言っても嬉しそう。「あのねー、90才にしては・・という意味だからね」
ところが、姉母は、こう言い放った。
「自分と家人を世間さまは夫婦と思うだろう」と。
その理由は二人とも白髪だからだとか。
白髪でも夫婦じゃなくて親子と思われるわと私は言ったのだけれど、どうやら姉母が正解のようだった。
女中さんが家人の前にお料理を置く時に小さな声で「お爺さん」と言ったような気がする。
家人に確かめると、やはりそう聞こえたとか。ふたりでお腹をかかえて笑ったけれど、冷静になると腹が立たなくもない。
DSC_3965.JPG
「次は95才の時にまた来ようね。」と約束をした。
ゆっくりと温泉につかり、ベランダで雲の流れを見続けた。
たまにはこんな旅も悪くない。

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