熾火の火種が跳ねた

手弁当で集まり、勝手気ままに喋るだけの会──そんなゆるい集まりを、時々、一人暮らしの友人宅で開いている。気が付けば私の独演会になっていることも多い。けれど、「うん、うん」と相槌を打ちながら聞いてくれる彼女たちの存在は本当にありがたい。
「気が晴れる」という言葉をこういう時に使うのだな、としみじみ思うほど、心が軽くなる。多分、私が気を遣わせているのだろうとは思う。それでも、この肩の力がすとんと抜ける感じは、いつもありがたいと思うばかりだ。

では、何を話したのか。
お酒も飲まず、お茶だけで「消費税廃止論」をぶち上げたことは覚えている。だが、それ以外はきれいさっぱり抜け落ちてしまった。

ひとつだけ、はっきり覚えている話題がある。
企画展のことだ。

galleryskogで出会った作家さんたち──私のように口ばかり動くのではなく、黙々と手を動かす人たち。どうしても手が動いてしまうという。50年以上ものキャリアを持つ大ベテランの作品が溜まっているそうだ。
幸い、私の友人が gallery のように使える広い部屋を持っている。
「そこを借りて、作品展をやってみれば?」と、つい火種を投げ込んだのは私である。

翌日には話がとんとん拍子に進み、会場の確保まで決まってしまった。
お正月明けの寒い時期に、手編みの暖かいセーターや贅沢なマフラーが“破格”で並ぶ予定である。
10年前に閉じた galleryskog の、消し忘れた熾火がふっと燃え始めた──そんな気がした。

来年の楽しみがひとつ増えたところで、その日の会はお開きに。
大笑いしながら話していたのに、企画展以外の話題はきれいに忘れてしまった。都合の良い年齢になったということだろう。

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