葬儀の黒靴

連休の最後の日、家人の兄が逝去したと連絡が入った。
長年、肺気腫の病を抱えていたけれど、亡くなるほどの病気をしているとも聞いてなかったので驚いた。
案の定、義兄は亡くなる寸前までテレビで洋画を見ていたと言う。
朗らかな義兄でシャイな京都人だった。
滋賀県なぞに住むなんて死んでも出来ない人だった。
葬儀の時は下を向いていることが多く、今回も参列された方の靴が気になって仕方がなかった。
家人も慌てて黒靴をはいてきたけれど、ビジネスシューズだ。
冠婚葬祭の黒靴はひも付きと決まっている。
京都人はかなりしっかり守っている。
ところが葬儀場で式次第を進行する男性が黒靴に金物の飾りがついていた。
これにはかなり驚いた。
こういうところを会社としてはきっちりと指導すべきだろうと、年々口うるさくなる。
喪服の準備こそ、何でもない時に準備をしておかないと、身内の訃報に接すると急に頭が働かなくなる。
私は間際になって黒い靴下を買いに走ったし、家人は喪服は自宅にあるのに靴と靴下は比良の家にあった。
両親の時には感じなかった死が兄弟を送ると、急に間近になる。
そろそろ準備をした方がいいねえ。
としんみり話したことだった。
車好きの義兄は、酸素ボンベを持って自分でハンドルを握り京都中の美味しいコーヒーのお店を紹介してくれたとか、幸せな人生だったと常々言っていたとか、ご近所の方が話してくれた。
幸せな人生だったと言えるように、今日から心の準備をしておこうと思う。

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コメント

    • 華やぎ
    • 2011年 9月 28日

    活動的な日々を、いともたやすくこなされているなー 
    といつも感心して読ませていただいています。
     美味しいものにも目がないし、
    総べてに労を惜しまない・・・
    そんな日々の過ごし方をされていることに驚異を
    覚えていました。
     今日のブログは、一味違っていました。
    「あーー同じ思いだなー」と、思わずコメントしました。
     私も、最近義兄を亡くしました。
    両親の時には感じなかった悲しさを味わいました。
    やっぱり、自分の身に近しい存在だったから?でしょうか。 
    言葉で表現するのは難しいですねー。

    • skog
    • 2011年 9月 29日

    華やぎさん
    コメントをありがとうございます。
    兄弟に逝かれると力が抜けますね。
    死が身近に迫る感じがします。
    誰にでも来ることなのに、遠くに思っていました。
    明日は分からぬ身ですから、今日を大事に過ごします。

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