ヒカゲノカズラ

秋の一日、滋賀県と福井県を隔てる「おにゅう峠」に「ヒカゲノカズラ」の採集に出かけた。

「ヒカゲノカズラ」とはシダ植物の仲間で、山野の地表を這う茎と地下に潜る茎からできていて、根を持たない植物と言われていたが、近年大阪市立大学、京都教育大学、日本女子大学の研究グループから、根と茎が成長する仕組みを比べ、「ヒカゲノカズラの根が茎である」ことを発見した。この発見は、ヒカゲノカズラは 4.2億年前の祖先の体制を保った世界最古の「生きた化石」であることを示しており、約 60 年ぶりの大発見となった。

本研究の成果は、Wiley-Blackwell(英国)が発行する科学ジャーナル「New Phytologist」にオンライン掲載されました。

と、言う文をNet上に発見した時には驚いた。
地表にある茎を引っ張るとズルズルと長く採れるのが快感で、ゴミ袋いっぱい採集してもそう時間はかからない。
冬でも緑色を保つ姿から縁起物として神事に使われる例もあるのだが、その知名度はあまり高くない。

私がSkogを運営している時に、12月の展覧会では染色作家の飯森先生が「ヒカゲノカズラ」を沢山持ち込まれて飾って下さった。
その瑞々しい緑色が滝のように重なっていた光景が忘れられなかったけれど、何処にでもあると言われる「ヒカゲノカズラ」を見つけることが出来なかったが、数年前に絶景を探して「おにゅう峠」に行った時、足元を覆う「ヒカゲノカズラ」にやっと出会った。

おにゅう峠からは福井県側の海や半島が見える。

それから毎年通っているが、今年はご近所さんを誘って紅葉見物方々で出掛けた。
平地と違って、ここの紅葉は10月末がピークらしく少し残念な紅葉狩りではあったけれど、ヒカゲノカズラは満足するほど採集出来た。
雲ひとつない晴天の峠で、ご近所さんのお手製の弁当の美味しかった事。

滋賀県高島市からおにゅう峠を越える道は、福井県側から京都市へ海から山へと物資を運んだ「鯖街道」になり情緒を味わえる道が続く。
そしてその先には、奈良東大寺にお水送りの神事を仕る「鵜瀬」へと繋がっている。

終りかけた紅葉もそれなりに楽しいドライブ日和だった。


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