岐阜の名物ウナギに牛肉時々富有柿 ④ー岐阜県立図書館

十年ほど前、富山市立図書館を訪れたことがある。そこで私は「本があればよい」という従来型の図書館観から脱し、「使いやすく、過ごしやすい図書館」という新しい在り方に強い感銘を受けた。以来、新しい図書館が紹介されると足を運びたくなった。
対照的に、私の住む大津市の図書館は旧態依然としており、決して長時間を過ごしたくなる場所ではない。だからこそ富山、金沢といった先進的な図書館に触れるたびに、一日中でも滞在したくなる心地よさを実感し、図書館という空間の可能性を思い知らされてきた。

今回、大垣へ向かう旅程に、以前から気になっていた「岐阜市立中央図書館」を最後の訪問地として加えた。
岐阜市立中央図書館は、複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」内に併設されている。建築家・伊東豊雄氏による設計で、館内へ足を踏み入れた瞬間、木と曲線が調和する柔らかな空間に目を奪われた。

なかでも象徴的なのが、木製格子天井から吊り下げられた半透明の「グローブ」と呼ばれる大きな傘である。このグローブは天井からの自然光をやわらかく拡散し、空間に自然な明るさをもたらすとともに、内部の気流を整え換気を促す役割も担っているという。

その下にはテーマごとに文学、親子、郷土などのスペースが配されており、グローブの形や柄、サイズが異なることが自然なサインの役目も果たしている。広々とした空間にゆったりと椅子が配置されており、どこに身を置いても穏やかな居心地がある。

私は金沢の図書館こそ、日本一居心地の良い図書館だと感じていた。しかし今回訪れた岐阜市立中央図書館は、そのさらに一段上の快適さを備えていた。
施設一階にはローソンやスターバックスが入っており、飲み物や軽食にも困らない。まさに一日中過ごせる環境である。

図書館に力を注ぐ自治体には、それだけで文化の香りが漂う。人は文化のある場所に惹かれ、やがて「ここに住んでみたい」と思うようになるのではないか。人口減少が叫ばれるなか、暮らしたい町であることは、子育てを考える世代を引き留める重要な要素になるだろう。
現金による直接的な支援だけが政策ではない。文化施設や公共空間の質を高める取り組みこそ、時間をかけて地域の魅力を底上げする力を持っているように思う。岐阜市立中央図書館を訪れ、その機能と建築美に触れたことで、あらためてその確信を深めたのである。

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