紀の川を越えて、年末準備

毎年、12月になると和歌山県紀の川市の「めっけもん広場」へ出掛けるのが恒例となっている。年末気分を盛り上げて、季節の移ろいを確かめに行くようなものである。

今日は20度近いぽかぽか陽気で、車内は冷房を入れるほどであった。そうなると、決まって思い出されるのが2023年の12月のことである。あの日は朝7時に家を出て、紀の川市に着いたのは昼の12時を回ってからであった。徳島県では120年ぶりに12月の降雪が記録され、京奈和道路は通行止めとなった。一般道へと迂回したものの、ノーマルタイヤの車が立ち往生し、道は完全に塞がれていた。文字どおり散々な道行きで、ようやく辿り着いた「めっけもん広場」の店内は、さすがに拍子抜けするほど空いていた。

去年はその話をしながら出掛けたのであるが、蜜柑は裏作の年で、目的の買い物は叶わなかった。そして今年。春うららと形容したくなるような陽気で、駐車場は満車、人も溢れていた。しかし柑橘類は、例年のように胸が躍るほどの品揃えとは言い難かった。小蜜柑こそ溢れるほど並んでいたが、ネーブル、八朔、ポンカンといった顔ぶれは、わざわざ来て良かったと思えるほどではなかった。

ここまで来ると、必ず足を伸ばす場所がある。有田市の「ひとりじめ狸本舗」である。紀の川市からでも高速道路で30分ほどかかる距離ではあるが、その手間を厭わせない魅力がここにはある。巻きずしの端っこにはみ出した玉子焼き、こっくりと炊かれた椎茸、かんぴょう、高野豆腐。それらをあっさりとまとめ上げる、シャキシャキとした胡瓜の歯触り。年に2、3度訪れるだけなのに、和歌山をぐっと近くに感じさせる味である。

そういえば今日は、蜜柑の代わりに花を買い込んだ。正月用の松、葉ボタン、南天の実に加え、菜の花やストックなど。あまりに両腕いっぱいに抱え込んでいたせいか、傍にいた見知らぬ方から声を掛けられた。
「これ、お正月まで持ちますか?」
「松と葉ボタンは大丈夫ですよ。ストックや菜の花は、寒い部屋で管理すればぎりぎり、でしょうかね」
そう答えると、その方は安心したように頷き、嬉しそうに花を選び始めた。ニコニコと花を抱える姿を見て、こちらの気持ちまで温かくなった。

クリスマスやお正月の花を準備する時間は、本当に心が浮き立つ。お正月そのものよりも、迎える準備をしているこの日こそが、私にとってのお正月なのである。季節に背中を押されながら、新しい年へと歩み寄っていく。
正月へ向かうこの浮き立ちを、今年も書き残してみた。

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