死ぬ準備より、死ぬまで元気に生きる準備をするべし

書店の前を通りかかった折、ふと「死ぬ前にやっておくこと」と題したようなマガジンが目に入り、何気なく手に取ってページをめくるうちに、気分が少し滅入ってしまった。

死は誰にも訪れる。年齢的に考えても、明日ということだってあり得る。それゆえ、死を避けて通りたいというわけではない。むしろ「死ぬ前にやるべきこと」として挙げられる項目の多さにうんざりしているのだ。

持ち物整理、財産管理、対人整理――。
なかでも「デジタルデータ整理」は難物である。死期が分かっており、それまで元気であればまだしも、私はそそっかしい性分で、何事も急ぎ過ぎてしまう傾向がある。ゆえに、死ぬその日までデジタル消去作業など到底できそうにない。「やっておくべき」などと言われれば、そのこと自体がストレスになる。

となれば、持ち物の整理も、対人関係の整理も、考え始めれば気が滅入るのは当然であろう。

そんな思いでネット上を検索すると、様々な言葉に出会った。
スティーブ・ジョブズがスピーチの中で語った「三つの真実」もその一つである。
「人は必ず死ぬ。人生は一度きり。そして、いつ死ぬかは誰にも分からない。若き日にこそ、その真実を見つめよ」と。
この言葉は、死への準備ではなく、生きる姿勢について語っている。

さらに、賢者たちの言葉にも胸を打たれた。

「自己実現と好奇心と探求に情熱的に取り組むことだ」 ウィリアム(64歳)

「人の顔色をうかがうな」 ドン(78歳)

「あわてて幕を引くな。アンコールか第四幕がつきものだから」 ジョシ(79歳)

「自分の心に従い、こうありたいと願う人間になりなさい」 ボブ(59歳)

「お金を目標にしてはだめ。節約し、楽しめる仕事を選びなさい」 メイ(72歳)

「つねに、することを五つ以上、見つけなさい」 ルーシー(101歳)

「自分や人を深く尊敬しなさい。人を傷つけてはならない」 ジュリアン(76歳)

こうした言葉を眺めていると、ふと気づくのである。
彼らの視線も、死ではなく「生」に向いているということに。

残せるような財産はない。デジタルの秘密がどうと言っても、死んでしまえば、知ったことではない。
ならば、賢者たちの言うように、残された時間をどう生きるかに意識を向けるほうが、よほど前向きで健全である。

「死ぬ準備をするより、死ぬまで元気に生きる準備をする」
その姿勢こそ、人生を軽やかにしてくれるのではないかと思うのである。

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