旅の宿 – 二人静

前日の強行軍で爆睡した後、雨が気になって窓を開けた。
脇を流れる大田切川の水音が急に大きくなった。
空は未だ明るいけれど、いづれ雨になりそうな黒い雲が遠くに見えた。
GOTOキャンペーンが迷走して、混迷の度合いが益々強くなった。
「今でなくてもいいだろう。」と言う声が大きい。
私も、何と間の悪い時にとは思う。
けれど何時になったらいいのか誰も分からない。年内は無理かもしれない。
果たして、それまで旅行業界は持つのだろうか。



今回の旅行は、駒ケ岳の麓、早太郎温泉の「二人静」に宿泊した。
何度か予約をしているけれど、キャンセルを重ねていたこともあっての事だった。
久しぶりに玄関のお出迎えに始まりバックを部屋まで運んで頂いて、美味しいお茶も頂いた。
1泊2日の短い滞在だったけれど、この宿がもし、切迫しているような状況にあってはならないと思った。
そう思ったのは「人」である。
宿に求めるものは人それぞれに違うと思うけれど私は「ホスピタリティ」こそ、日本旅館の醍醐味だと考えている。
付かず離れずの気遣いに、正しい日本語を話す仲居さんは宝物である。
一朝一夕で身に着くものではないのだから「二人静」では長い年月をかけて研修してきたのだろう。そんな中居さんを解雇するわけにはいかない。けれどあと何か月旅行がストップしたなら厳しい現実になるのではないだろうか。
私はたまたま「二人静」だったけれど、全国にはこのように行き届いたお宿は沢山あると思う。
もう少し、もう少しと我慢してきたはずだ。

至れり尽くせりの夕食(写真は朝食)は美味しく、久しぶりに「ご馳走」を頂いた。
一生懸命さに下戸の夫婦が生ビールなどをオーダーしたくらいだ。
設備は経年の痛みはあるけれど、掃除は行き届き、生花が清々しく活け込まれていた。

コロナの感染者数も日ごとに増えている、あとひと月で終息するのなら「今でなくてもいい」と私も言いたい。
けれど、車が見えなくなるまで手を振る仲居さん達はあと何か月我慢できるだろうか。
感染者が増えて大変な地域もある、水害で家を無くしたた人もいる。
私の力では被災地のボランティアは到底無理。
けれど、宿泊する事は出来る。
政府から振り込まれた10万円を原資に、微力ながら協力しようと思う。

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