石井康冶のガラス|大切な想い出
ガラスの美しさに魅入られたのは「石井康冶」さんの作品に出会った事がきっかけになった。
ガラスとは思えない美しさで、ガレの作品にも心動かされなかったのに、石井さんのガラスは頭から離れなかった。石井さんのガラスは欲しくても買えるような価格ではなかったけれど、憧れているだけでも心地よかった。
そんなある日、京都高島屋の美術コーナーに行くといきなり石井さんご本人が売り場に立っておられた。そして、作品は高根の花の作品ではなく日常使い出来る器が並んでいました。
あ~こんな身近なものも作るんだ。
私はガラスで表現する色としては赤が好きで、何かひとつ欲しいものと懸命に探しました。
石井さんが薦めて下さったガラス鉢5枚組を頂いて、願えば叶うとほくそ笑んだものです。
それから14年間この器は毎朝食卓に上り、そのうちの2個は割れてしまいました。
そして、昨日の朝ヨーグルトをよそい蜂蜜をかけようとしたら重たい蜂蜜のディスペンサーが器の上にガチャンと落ちて、肝を冷やしましたが意外にガラスは強固で無傷。
ではなく、よく見るとひび割れが走っている。
石井さんは出会ったその年に急逝されて、そのうちに揃えようと思った願いは叶わなくなりました。
高級美術品は美術館でお目にかかりますが、日用雑器の類はなかなか見られなくなっているのです。
高級品ではありませんが私にとって石井さんとお話しできた事、一緒に探して決めた器。
どれもが大切な思い出なのです。
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