カメムシ80倍の衝撃、蜜柑が消えた冬
大きな蜜柑を求めて紀の川市の「めっけもん広場」へ向かった。ここは柿やりんご、いちご、メロンなど正月向けの果物が揃う場所である。今回の目的は「八朔」「ネーブル」「伊予柑」「柚子」「レモン」であり、混雑が落ち着く正午前の時間帯を狙って訪れた。しかし、様子がいつもと違っていた。
規格外の蜜柑がなく、贈答用も少ない。八朔やネーブルはわずかにあるものの、質の悪いものばかりであり、伊予柑に至っては姿すら見えない。この市場に通い始めて10年以上になるが、これほどまでに品薄なのは初めての経験であった。
レジで事情を聞いたところ、猛暑とカメムシの異常発生が原因で集荷が激減しているとの説明であった。有田では小蜜柑が豊富であった。おそらく、大きな蜜柑が被害を受けたのであろう。これから収穫が始まる文旦の生育にも不安が募る。
調べたところ、今年のカメムシ発生数は例年の80倍に上るという。林檎や桃にも被害が及び、その被害は農作物や魚にまで広がっている。それに伴う物価高騰に加え、政治の混乱や多発する事件が人々の心を揺さぶっている。
カメムシの異常発生はその象徴のようだ。
この異常な世界は、何時まで続くのだろうか。
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