遅れてきた春の詩

数年来、我が家ではシクラメンやポインセチアが越年し、春には再び美しい花を咲かせてくれる。花が終わった後には家人が植え替えを行い、その丁寧な手入れのおかげで毎年見事な開花を見せてくれるのである。
今年も例外ではなく、4月に入ってから花芽が上がり、今まさに見ごろを迎えている。特にポインセチアは、秋口に箱がけをして苞の赤色を早く見たいと願っていたが、箱がけの度に枝が折れ、見るも無残な姿となっていった。正直、もうこれまでかと諦めかけていた矢先、ようやく苞が赤く染まり始めた。
折れた枝の跡から新たな頂芽が生じたのか、各所から赤く色づいた苞が顔をのぞかせ、思いのほか華やかな姿となった。それが4月に入ってからであり、本来ならば既に植え替えの時期であるはずである。
バラやクレマチスも、つぼみを膨らませ、間もなく開花しようとしている。昨年も開花は遅れ気味であったが、今年ほどの遅れは記憶にない。思い返せば、今年の冬は異常な寒さであった上、春の訪れも遅かった。こうした要因が重なり、植物たちの生育にも影響を与えたのであろう。
自然界には忖度がない。すべては天候や気温、日照といった条件に素直に従っているだけである。人間もまた、自然の一部として生きている以上、自然の声に耳を傾け、それに逆らわない生き方を見つめ直す必要があるのではないか。
しかし、それが出来ないのが人間である。
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