変わらぬ旨さ、進化する「すし玉」

富山に行けば、外せないのが「回るお寿司」である。しかし近年は皿が回らず、タッチパネルで注文するスタイルが主流となった。そうした中でも迷わず選ぶのが「すし玉」である。時間は無いけれどすぐに食べたい。そんな時はここ一択である。

この店を快適に楽しむには一つだけコツがある。開店前に並ぶことである。開店は11時。10時45分に到着すれば、ほぼ確実に最初のテーブルに着ける。しかしこれを過ぎると待ち時間は徐々に長くなる。そして人気のセットの寿司が売り切れる可能性がある。幾度も残念な思いをしたので、今回は気合を入れた。気合が過ぎて10時半に着いてしまった。すでに数台の車が駐車場にあり、皆待機している。15分前になると次々と車から人が降り、気付けば入口には行列ができていた。真夏の炎天下であっても、黙々と並ぶ姿は印象的である。駐車場はあっという間に満車となり、油断すれば早く来た意味が失われる。入口には大型扇風機が回り、小さな気遣いが心地よい。

11時半きっかり、扉が開くと一斉に入店となった。幸いにも一番乗りでテーブルを確保できた。まず注文するのは「地物の握り10貫」(2400円)である。これが何よりのお目当てである。

寿司飯はほのかに温かく小ぶりで食べやすさに工夫があり、富山らしい確かな旨さがある。10貫で満足するはずもなく、次なる一皿を探す。「マグロ三種盛り」、大トロ・中トロ・赤身の揃い踏み。鮪は欠かせぬ存在である。そして締めに選ぶのが焼き穴子の握り。穴子は難物であるが、香ばしく焼けたそれは山葵との相性も抜群。ひと口ごとに思わず頷いてしまう出来映えである。

本当は梅巻や玉子も食べたい。しかし胃袋には限りがあるゆえ、選択は厳格にならざるを得ない。そのためにも、開店直前には到着して、売り切れ前に並ぶことが必須となる。

列に並ぶ人々の会話によれば、「すし玉はテレビに取り上げられる機会が増え、以前より混むようになった」という。思えば初めて訪れたのは何年前であろうか。まだ店は狭く、皿が回っていた頃である。その時も人気店であったが、今は広い店舗に変わり、寿司は回らなくなった。それでも味は変わらず守られている。

あと何度訪れることができるかは分からない。しかし富山は名店の数々よりも、私の寿司感覚と財布に寄り添うのは「すし玉」であることに変わりはない。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

グルメ・料理の情報収集

ブログランキングでグルメ・料理関連のブログをご覧いただけます。
ページ上部へ戻る