旅に出たなら何食べるー能登穴水

能登さくら駅の近くは、この季節牡蠣を食べさせる幟が方々に出ている。
何しろ急なコース変更なので、ランチは行き当たりばったりで決める。
さくら駅の直前に目を引くベンガラ色の建物が印象に残った。⇒

電車と桜を写したいと思うけれど、電車が来るのは30分以上も先になる。
「花より団子」を楽しみにしている家人に急かされて、べんがらの家に引き返した。
玄関前は、クラフト展をしている様子だけれど、目もくれず「牡蠣を食べたい」と言う私たちは、玄関横の小さな小屋に案内された。
薄暗い空間が、ぼーっと見えた。
気持ちは後ずさりしたけれど、「どうぞ」と言われて椅子5脚の狭いカウンターに座った。
カウンターの上に小さな窯があり、そこで牡蠣やピザを焼いてくれるらしい。
牡蠣殻から立ち上がる欠片に閉口しているので、窯で焼くならよかろうと覚悟を決めてオーダーした。
すると、オーナーは牡蠣を海まで取りに行くからと言っていなくなった。

気持ちが落ち着くと、目の前の風景が別物のように見えてきた。
薄暗いと感じた空間は、海に向かって開く窓になっていて、チワワが大人しく座っている。
カウンターの中からオーナーが言う。
「ここはねー、湘南なんですよ」
なるほど、窓の外は海、後ろには能登鉄道の小さい電車が走っている。
オーナーは湘南に暮らし、数年前まで東京でデザイナーをしていたと自己紹介をした。

牡蠣の舞い上がる殻はなかったけれど、消毒なし、おしぼりなし、水なし、メニューなし。
お味は普通、けれど目の前の風景は特別だった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

グルメ・料理の情報収集

ブログランキングでグルメ・料理関連のブログをご覧いただけます。
ページ上部へ戻る