終活期の住宅

我が家は、新築から46年が経過した。
屋根や壁面は12年前に一通り塗り直しをしているけれど、経年して来ると毎日「塗り替え」のチラシがポストに届くようになった。
先日、セキスイハイムの方がくまなく点検をしていった。
12年前の塗り替えもお願いしているので我が家の診断書データーは全てお持ちだ。
そしてそれを踏まえて、お勧め工事の説明に来られた。
塗装屋さんに虎視眈々と狙われているのだから点検すれば無罪放免になるはずはない。
「そんな事しなくて良かったのに」とぼやく私に家人は「もし雨漏りをすると大変な事になる」と気にしていた。
案の定、住宅内の水回りやクロスは数年前に手を入れているので、屋根の塗装を勧められた。
一番気にしているし、言われれば弱い所である。

そこで気になるのは、この家にあと何年住むかと言う問題
セキスイハイムの住宅は過去の震災では倒壊していないそうだ。
それにしても、住宅は50年くらいで取り壊して、新築するご家庭が多い。
伝統的重要文化財でない庶民の家は「ウサギ小屋」「一代限りの仮住まい」感覚だ。
サラリーマンがローンを組み、子供を育て退職金でローンを清算した家は、いつの間に住宅自体も追加メンテナンスの時期になっている。そして、見限られ、取り壊されている。
メンテナンスの話は確かにため息の出る見積もりが示される。
あと何年ここに住むのかは神のみぞ知る。
「このまま住んでしまおうか」「後10年は住めるようにしたい」とそれぞれのご家庭の都合で結論される。
我が家の場合は家の周りにバラやクレマチスのガーデンアイアンが取り囲んでいるので、それを全て撤去するのは難しい。

取り敢えず屋根は強く勧められれば仕方がないか。
それでも10年もするとまた勧められる。その時私は、塗り替える経済的力、気力が残っているだろうかとフッと思う。実際この10年間でかかる経費は3割程度値上がりしている。

永久的に塗り直しをしないように新素材で屋根を覆ってしまうには500-600万円の費用が掛かるらしい。
けれど内装は永久とはいかない、何度もクロスを張り替えたので次回はコンパネを替えないとクロスは貼れないと言い渡されている。
このウサギ小屋を維持しようと思えば多分1000万円では足りないだろう。
若い時に建てた夢の一戸建ては永遠ではなかったと思うのは築50年を過ぎてから、自分の体力も家の状態も限界が見える。
そうなれば二階建てのこの家よりもマンションの方が便利かもしれない、もしくは施設入居が早いかも知れない。
高齢者の住宅メンテナンスは、思いがけない我が人生の先行きを考えさせられた。

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