長生きしていいの?|特別養護老人ホームの事を市役所の「長寿課」へ話を聞きに行く

姉の症状は痴呆という言葉ではないそうで、最近は「認知症」と言うのだそうだ。
さてどうしたものかと、朝から「ケアマネ、特養、市役所、有料老人ホーム」の話を聞いた。

それで分かった事実は、驚愕ものだった。
特養に入居できるのは宝くじに当たるように難しいと言われるが、細々と聞くと矛盾だらけだ。

まずは、有料ホームの事から

老後にどれだけの資産を持っているのかの一言に尽きる。

高齢者は裕福なので、もっとお金を使わせようという政策もあったように思う。
しかし、今は事情が違う。

病気になって死を迎えるよりも、体が不自由になって長生きする時代になった事を考えると
現金は死ぬまで使えない時代になったと言える。

有料ホームの料金は毎月20~30万円かかる。半分を年金で賄うとしても、年間120~200万円が
必要となる。もし70代で倒れて、20年間生きたなら2000万円以上の資産が必要となる。

それが出来ないから、夫婦のどちらかが家で看ている。
先に倒れた方を介護して、介護した方が倒れる場合もある。

どちらかを見送った後、残された方もかなりの高齢者になるけれど、
少ない年金では有料ホームに入れない現実が残る。
考えたくない話であるけれど、近い将来わが身に降りかかりそうである。

では、どうしたらいいのだろうか。

次に市役所の「長寿課」に話を聞きに行った。

「独居老人で入院中。退院しても一人暮らしは難しい。
預金はないので、特養に入れるだろうか」と相談に行った。

市役所は事情は分かるからと言って、入れるように推薦出来ると言う制度はない。

全ての環境が点数化されて、点数の高い方から入居できるという仕組みらしい。
特養も、要介護度の高い人から入居させると補助金が多くなるので、
要介護度の高い方が優先となる。そして、独居であることも優先される。

姉の場合はどうか。

病院にいるという事は一番点数が低い。まずは退院して独居になる必要がある。
けれど、独居で現実に暮らせるのか。
暮らせるなら施設に入る必要はないのだ。独居を高得点にしていることの矛盾。
特養に入りたいという理由は「独居は一日も無理」という状況にあるのだ。

「ショートステイを使えば何とかなるのでは」と、アドバイスを頂いた。

それでも数日は家に戻らねばならない。
その為には家用のポータブルトイレ、車いす、専用のベッドの準備がいる。
介護保険で借りられるはずの介護用品は、ショートステイで点数がなくなるので
「実費」と言う事になる。

そうやって待ったからと言って、特養に入れるまでに何年かかるか分からないのが現実らしい。
市役所からは「市内全ての特養に申請書を出して何人待ちなのかを確認する方法がある」と
教えられた。

その上、特養と介護保険老人施設は医療費控除の対象になるけれど、有料ホームにはそれはない。
特養に入れないから無理して入っている現実よりも「裕福者」と思われているのだろうか。
「1年待ちなら頑張れる」と思っても、有料ホームに居ると言うだけで特養は遠くなる。
特養を申請している人が、無理して有料で待っているケースもあることも考慮してほしい。
一人暮らしを一日も出来ない人に対し、一人暮らしをさせる政策を正しいと思っているのだろうか…

夕方に、ケアマネさんと1時間ほど電話で話をした。

ケアマネさんへ「自宅に帰ることは全く考えなかったけれど、必ず自宅に返すという方向に考え直したのでプランを考えて欲しい」と伝えた。
「本人が自宅に帰りたいと言うのなら、それを中心に据えて考えて上げて下さい」
私を説得していたはずのケアマネさんのテンションが急に下がった。

解決の糸口が見つからず、今日は疲れ果てた。

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