鬼平犯科帳に見る田沼意次の時代と現代

自分で本を選ぶと偏ってしまうので、最近の読書は他の人が面白かったと勧める本を読んでいる。
今読んでいるのは「鬼平犯科帳」
時代捕り物小説は今まで読んだことは無く、どちらかと言えば苦手。
池波正太郎の本は先日読んだ「チキンライスと空の旅」が初めてで、短編集のこの本は軽く読めて面白かったので有名な「鬼平」も読む気持ちになった次第。
1巻を読みながら読み続けるか止めるか躊躇した。
と、言うのはこの本は全24巻という長編だから。面白い心境までは未だいけてない。

この本の時代背景は10代将軍徳川家治の1770年代であるが、令和の今にあまりにも似ているので小説を離れて田沼意次の政策を復習したくなった。

1779年(安永8年)に徳川家治は、老中・田沼意次に幕政を任せるようになった。
田沼意次の政治はそれまでの日本にはない先駆的な政策で「重商主義政策」貿易などを通じて富を増やそうとする経済政策が中心だった。経済発展を実現した一方で、賄賂が横行する政策でもあった。
そして次第に役人と商人VS町民と農民の格差が広がり、ついに町人や農民たちの不満が高まり「百姓一揆」が勃発した。
その上、度重なる大災害などのに見舞われ、大きな成果は出せないまま辞任に追い込まれた。
田沼を倒して「世直し」を担うとして登場したのは 松平定信で「寛政の改革」を掲げて幕府の財政を立て直すべく、徹底した倹約政策がとられた。

「田や、沼や、よごれた御代をあらためて、清く澄みたる白河(松平は白川藩主)の水」と落首が読まれたが、松平の倹約令と風俗取り締まりがつづくと
「ありがたや、物見遊山はご法度で、銭金持って死する日を待つ」と読まれた。
ついには「白河の清きながれに住みかねて、元の濁りの田沼恋しき」と変わって来た。

2024年も経済格差と大震災に見舞われている。
令和の現代、蜂の巣をつついたような政界に日本の復興を任せるしかないのだ。
政治家それぞれの力の見せ所を示してほしい。

鬼平犯科帳からとんでもない所に話を引っ張ったけれど、最後まで読んで頂いてありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

skogBLOG内の記事検索

カテゴリー

過去の記事

書評・レビューの情報収集

ブログランキングで書評・レビュー関連の情報を収集できます!
ページ上部へ戻る